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 私は過去20年以上にわたり昭和大学医学部第1解剖学教室に勤務し、解剖学・組織学の教育と研究に携わってきました。本学医学部、薬学部の講義・実習に加えて、第1解剖学教室で学位を取得して臨床の各科で活躍中の本学の卒業生と教室の大学院生にも学位指導を行ってきました。
 私の過去20年以上にわたる本学の基礎および臨床医学研究者との共同研究は、多数の学位論文あるいは共同研究論文として実を結んでおります。また現在までの研究成果は270を超える英文原著論文となり、科学研究費を多数獲得し、その研究成果は高く評価されております。さらに、平成14-15年度には科学技術振興事業団のCREST(戦略的基礎研究事業)の研究分担者として共同研究を行い、さらに平成16-17年には科学技術振興機構(JST)の研究成果最適移転事業のサブリーダーとして国際的な共同研究を行ってきました。
 組織・細胞学の研究分野では、ここ数年の急速かつ飛躍的な分子生物学の発展に伴い、分子生物学的手法を用いた研究方法が必要不可欠なものとなっています。組織・細胞学の分野で独創的な研究を行うためには、従来の免疫組織化学法に加えて遺伝子組織化学法を用いた研究が必要となり、さらに遺伝子欠損モデル動物等を用いた機能形態学的研究を行う必要があると私は考えております。私は最近の5年間にわたり、本学および他学の多数の研究者と共に種々の遺伝子過剰発現あるいは遺伝子欠損マウスを用いて、とくに神経細胞死の分子機構の解明と遅発性神経細胞死の防御をめざした機能形態学的研究を行ってきました。
 私の主要な研究テーマの一つであるPACAPという神経ペプチドは、その発見者でありまた私の共同研究者でもある有村 章博士(チューレン大学)のもとで脳梗塞や脳痴呆の患者への臨床応用が米国ではじまっております。私は、基礎と臨床の研究者と共同して行ってきた脳梗塞・脳痴呆の治療や予防につながる研究を、今後さらに発展させていくたいと考えております。また最近の再生医学医療の進歩は目覚ましたいものがあります。第1解剖学教室では虚血性神経細胞死の機構とその細胞死防御に向けた再生医学医療の研究を国内外共同研究者と共に積極的に行っていきたいと考えております。
 私は平成11年の4月に本学医学部第1解剖学主任教授となり現在に至っております。今後とも昭和大学医学部の第1解剖学教室の運営のみならず学内の医学教育と学内の共同研究にも意を尽くし、国際交流をさらに発展させていく所存です。同時に国内外の種々の学会においても本学医学部第1解剖学教室の研究成果をたくさん発表し、本学の学術的な発展にも貢献したいと考えております。