
- PACAPが遅発性神経細胞死を抑制する機構の存在を種々の虚血モデル動物を用いて明らかにした。
- PACAPの脳内毛細血管内皮細胞からPACAP27のトランスポーター分子を分離しPTS-6という分子を同定した。このPTS-6のアンチセンスプローブを虚血前の動物に投与して脳虚血を行うと、遅発性神経細胞死が有意に抑制することが分かった。今後はさらにこの細胞死抑制機構の解析を詳細に行う必要性があると考えられる。
- 摂食促進作用をもつオレキシンおよびグレリンの機能的意義をしらべるために、これらリガンドおよびレセプターの脳内分布・局在を検索した。グレリンの摂食促進作用は、オレキシンを介して行なわれていることをオレキシンの遺伝子欠損マウスを用いた実験で明らかにした。またグレリンおよびNPY含有ニューロンが視床下部で双方向性のシナプスを形成していることを電顕的に観察・報告した。
- PACAPレセプターの遺伝子改変動物を作成しそれを用いて行動解析を行ったところ、日内リズムには変化がないが行動量の顕著な増加がみとめられた。
- ラット視神経の切断モデルで網膜神経節細胞の細胞死が生じるが、微量のPACAP投与によって細胞死が抑制されること、さらにその場合に細胞内のcAMPが細胞死抑制に重要なはたらきをしていることが分かった。
- ヒト骨髄幹細胞を脳梗塞モデルマウスに投与したところ、神経細胞死を抑制できることが明らかになった。また骨髄幹細胞は脳内のミクログリアを活性化し、炎症性サイトカインの分泌を抑制し、さらに神経栄養因子の分泌を促進することが分かった。脳の再生医学を行うために骨髄幹細胞が有用であると考えらえる。
- ラットのLPSを投与すると肝臓の機能障害を生じるが、それにマイナスイオンを作用させると組織内の一酸化窒素の産生が低下すること、さらに肝細胞の障害が抑制できることが分かった。
- GALPの点鼻投与をマウスで行い、脳室内投与、静注などと脳内移行効率をしらべたところ、点鼻投与は静注の6倍以上も高い効率で脳内に移行することが分かった。さらにcyclodextrinにはGALPのペプチド分解を抑制する効果があり、新たなドラッグデリバリーの開発につながることが分かった。
- キンギョにおいてGnRHの脳室内投与によって摂食抑制のおきることが明らかになった。動物種が異なると同じペプチドでも生理作用の異なることが分かった。
- キンギョにおいてMCHの脳室内投与は摂食抑制を行い、α−MSHは摂食促進作用をもつことが生理的に明らかになった。ほ乳動物ではまったく逆の作用を両ペプチドがもつことから、系統発生学的にみて両ペプチドの作用は大変興味深い。
- NPWは摂食抑制ペプチドであり、このペプチドの脳内における細胞体や軸索の分布を観察したところ、視床下部のさまざまな神経核に細胞体が分布していることが分かり、さらに他の摂食調節ペプチドとの神経相関のあることが明らかになった。
- 精油のもつ抗酸化作用をしらべたところ、柑橘系の精油には光毒性があり、紫外線による一重項酸素の発生を消去する活性の低いことが電子スピン共鳴法を用いた実験で明らかになった。精油をヒトに施術する場合に光毒性にも留意する必要性のあることが分かった。

