我が国は平均寿命の長さは世界に誇るべきものではありますが、寝たきり老人が数百万人いるともいわれており、

老後の7〜8年を健康で長生きする難しさが指摘されています。高齢者が良好な健康を維持し、高いQOLを享受して

いなければ、少子高齢化の状況にあるわが国の公的医療制度が破綻することになるのは明らかです。

高齢化が異常な速度で進む我が国において、高齢者が健康に長寿を達成することは極めて重要なことであります。

健康長寿達成のためには老化の原因および機序の解明、そしてその予防に関する研究が重要です。

本講座のメインテーマである「アンチエイジング医学」とは、ヒトの老化の過程で生じてくる様々な不都合な状況に対し、

少しでも心身を至適な状態に維持できるよう事前に対処しようとする積極的な予防医学です。


アンチエイジング医学の研究には、老化の機序解明が最も重要であると考えられます。

基礎的研究領域においては、加齢に伴う遺伝子の変異、細胞機能の低下、活性酸素・フリーラジカルなどによる身体の

酸化的ストレスの増加、免疫力の低下、内分泌機能の低下などが老化の機序として注目されています。

本講座では老化過程における活性酸素・フリーラジカルに注目し、研究を行っています。


アンチエイジング達成の手段として、機能性食品というものが最近注目され開発が盛んに行われています。

しかし、これらは医薬品とは異なり法的規制がゆるいことから、その効能の信頼性や安全性などについての証明が

十分になされているとはいえません。科学的根拠に基づいた信頼性の高い機能性食品の検証と新規開発は、

アンチエイジング医学の重要なテーマの一つであると考えられます。

このテーマを達成するために、本寄付講座ではとくに核酸・核タンパクに注目し、その効能の科学的根拠を明らかに

するために最先端の技術を取り入れた研究を行っています。


疫学研究により成人病胎生期起源説が提示され、低出生体重と虚血性心疾患、2型糖尿病、脳梗塞、高脂血症の

発症リスクの関係が研究されてきていますが、本講座では胎生期からのアンチエイジングという観点から、

胎生期の環境と個体の寿命の関係を明らかにしていこうと考えています。


また、本講座では、科学的根拠に基づくアンチエイジング医学を実践する医療人の育成にも努めたいと考えています。


本講座でのアンチエイジングの研究成果を正しく国民に伝え、一人でも多くの人々が元気で長寿を享受し、

かつ社会の第一線で活躍していただくことに貢献できればと考えています。
 

本寄付講座はフォーデイズ株式会社の寄付により開設されました。