活動一覧

第11回名古屋新生児成長発達研究会で中野有也先生が特別講演

中野有也先生が第11回名古屋新生児成長発達研究会で特別講演をしました。

特別講演 DOHaDで考える極低出生体重児の神経発達
中野 有也(昭和大学江東豊洲病院 小児内科)

開催形式:Web開催
主催:ノボノルディスクファーマ株式会社

講演時にしていただいた質問と回答

①早産AGA児(極低出生体重児)の出生後の発育パターンについて
体重SDスコアの推移をプロットすると、どの週数でも修正30-31週頃に体重SDスコアの最低値となり(子宮内発育からもっとも乖離し)、その後catch-upに向かうのは興味深い。週数が未熟でも比較的早期に経腸栄養が確立して状態が安定する児もいる中でこのような結果が得られるのはなぜか?というご質問をいただきました。

回答)とても面白い視点であると思いました。基本的に、週数が未熟児なほど経腸栄養確立が遅れたり、無意識に静脈栄養も控えめにしていることが多いことが最も影響していると考えていまます。実際にEarly Aggressive Nutritionとはいっても昭和大学では多くの症例でアミノ酸投与2g/kg/day程度から開始しており、子宮内での栄養所要量4g/kg/dayには大きく及びません。さらに、水分量をある程度固定した場合、昭和大学病院では未熟な児ほど血管作動薬や鎮静などの使用に伴い、静脈栄養としての水分量/アミノ酸投与量が少なくなる傾向にあります。また脂肪製剤も呼吸状態が不安定な児の場合増量を控えたりする場合もあります。また週数が未熟なほど耐糖能が低いため、糖投与に対する高血糖リスクあり、投与エネルギーが減る傾向にあると思います。そのような理由から、週数が未熟なほど喪失する体蛋白が多くcatch-upに時間がかかるのではないかと推測していましたが、他に生理的な/病的な意義がある可能性は否定できないと思います。現在、オーストラリア/ニュージーランドで行われているPROVIDE studyで生後最初の1週間の静脈栄養を1g/kg/day増やすRCTが施行されており、いろいろな結果がでつつあります(文献1)。成長パターンに着目した報告がなされるかはわかりませんが、注目したいと思っております。

②体質リライトが可能な時期
どのような時期に介入すれば体質を書き換えられるのか・・という趣旨のご質問をいただきました。

回答)基本的には「不適切な体質を獲得しない」という視点が最も大切です。Early Aggressive Nutrition(EAN)についての自施設での検討では、早産AGA児ではEANの効果で3歳時点の新版K式発達検査で発達指数が優位に上昇し、正期産正常体重児と同等の発達指数が得られましたが、早産SGA児では発達面についてEANの有意な効果が得られませんでした。これは厳しく言えば、いったん発育不全を生じるような環境に曝露した場合には、もちろんその程度にもよるのでしょうが、出生後早期に介入したとしても発達を改善させることはできないという結果と解釈できます。また体組成についても、講演でもお話しいたしましたが、出生後早期の栄養摂取量はNICU入院中の体組成に大きく影響し、十分な栄養摂取量があれば体組成は正常化に向かう(体脂肪を増やさずにLean Body Massを増加させる)ことにつながりますので、この時期の成育環境がいかに重要かわかります。質問の意図は「いったん獲得した体質を変えられるか」「いったん獲得した体質を変えられるとするとどの時期か」ということかと思います。これについては十分な知見はありませんが、一般に感受期と言われる人生最初の1000日(受胎から2歳まで)が期待できる候補となる時期といってよいでしょう。実際、体組成について、成長ホルモンは筋肉を増やし、背を伸ばして、体脂肪を減らす効果があり、SGAの児にとっては体組成を正常化するのに効果を発揮します。しかし残念ながら3歳以降の成長ホルモン治療で生じたこのような体組成変化は、GH治療をやめると戻ってしまうことが示されています。すなわち、感受期にプログラミングされた体組成という体質は、この時期には書き換えられないことを意味しています。もっと前の介入が必要なのだと思います。倹約型体質における成長のポテンシャル低下や筋肉量低下は、成長ホルモンの作用不足で大部分が説明可能です。発育不全モデルにおけるGH-IGF-1 axisの問題として、肝臓でのGH受容体減少がmiRNAの発現増加によって調整されており、miRNAの低メチル化がそこに関与している可能性が示唆されています(文献2)。しかるべき時期のメチル化供与食がGH-IGF-1 axisを正常化させるなどの手順が考えられますが、検証にはもう少し時間がかかりそうです。


③早産とメチル化について
早産児におけるエピゲノム変化(メチル化)についてのご質問をいただきました。

回答)胎児期は細胞増殖と分化、それに伴う臓器形成・成熟が生じる時期で、各段階には多くのエピゲノム変化が関与しているものと考えられます。残念ながらその詳細な知見は集積しておらず、そのような臓器形成の途上で出生する早産児において、それらのエピゲノム変化が出生後にどのように変化するのか、遠隔期に影響していくのか、については、私が知る限りまだ研究は入り口の部分にしかいないと考えております。・・とはいっても、早産極低出生体重児を対象としたメチル化の網羅的解析などに関する研究は少しずつ進められており、日本では東京大学の鹿嶋先生が成育医療センターの秦先生のグループと共同で研究しております(文献3)。基本的に極低出生体重維持における出生時(臍帯血)のエピゲノム変化の多くは、子宮内で生じているものの一部でその多くは分娩予定日にはコントロール群との差が消失するようです。ただこの時期にも残存しているエピゲノム変化の中に、遠隔期の疾患のリスクにつながるものが含まれているのかもしれません。今後研究が進展しopenになることを願っております。

2022年02月07日

第1回DOHaD説からみた支援セミナーで中野有也先生が講演

中野有也先生が第1回DOHaD説からみた支援セミナーで講演しました。

講義2 小さく産まれた児と妊娠中・産後の母親のケア

★児に対しての対応 中野 有也(昭和大学小児科)

・身体発育チャート
・母乳の意義(母乳が出ない場合の対応)
・思春期発来のチェック
・低出生体重児の学力・体力のハンディ
・生活習慣病の発症リスク・・・など

 

主催:日本家族計画協会

2021年11月17日

第28回江東豊洲産婦人科懇話会で中野有也先生が講演

中野有也先生が第28回江東豊洲産婦人科懇話会で講演しました。

一般講演

座長:大槻 克文(昭和大学江東豊洲病院 周産期センター長)

DOHaD学説を踏まえて考える 小児科医/産婦人科医の役割
  中野 有也(昭和大学小児科)

 

共催:昭和大学江東豊洲病院産婦人科/江東区産婦人科医会/持田製薬株式会社

2021年11月17日

シンポジスト 第54回日本小児内分泌学会

中野有也先生が第54回日本小児内分泌学会学術集会でシンポジストとして発表しました。

シンポジウム6 成長障害の新知見

座長:鞁嶋 有紀(島根大学小児科)
   藤原 幾磨(仙台市立病院小児科)

1. 骨系統疾患に関する新知見
  窪田 拓生(大阪大学大学院医学研究科小児科学)
2. 成長障害をきたす遺伝性疾患の新知見
  伊達木 澄人(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科小児科)
3. DOHaD学説を読み解いて考える低出生体重児の成長
  中野 有也(昭和大学小児科)


2021年11月17日

出納達也先生が第10回日本DOHaD学会で発表

出納達也先生が下記の日程で開催された第10回日本DOHaD学会の一般口演においてDOHaDと関連した発表をしました。


日時:2021年9月3日(金)~9月4日(土)
場所:Web開催
会長:伊東 宏晃(浜松医科大学 産婦人科)


出納達也先生はこの会で下記の発表をしました。

一般演題:極低出生体重児における分娩予定日から3歳までの縦断的な脳容積評価
発表者:出納 達也(昭和大学小児科)、他

2021年11月17日

特別講演 m3.com Web講演会

中野有也先生がm3.com Web講演会ででDOHaDと関連した発表をしました。

特別講演 全ての小児科医に知ってほしいDOHaD学説の考え方
     ~小児科医の立場で考える患者さんのためにでできること~

提供:ノボノルディスクファーマ株式会社

 

生Web配信です。内容は1. DOHaD学説の概念を知ろう、2. 低出生体重児とヒト倹約型業原型、3. 小児科医の立場でできること、をお話ししました。Web配信の強みをいかして、予想以上に多くの先生方にご視聴いただけました。質問も多く頂戴しましたが、時間の関係で全ての質問にお答えすることができませんでしたので、以下に質問の内容と回答を紹介したいと思います(回答はあくまでこの時点の知見に基づいたものです)。

質問1 脂肪細胞の数を推定する方法はあるのでしょうか?

回答:
 脂肪細胞の数を簡便に推測する方法は私の知りうる限り限りありません。体全体の脂肪組織の量(体脂肪量)は、脂肪細胞の数と平均の大きさで決定されると考えられています。そのため、体脂肪量と脂肪細胞の平均の大きさがわかれば、そこから脂肪細胞の数の多い/少ないを推定することができると考えられます。私がおこなった最近の研究では、低出生体重児では乳幼児期に体脂肪量が増えていないにも関わらず、脂肪細胞の平均の大きさが大きい傾向が明らかとなりました。これはおそらく、低出生体重児では脂肪細胞数が少ないことを意味しているのではないかと解釈しています。同じ脂肪細胞数をもっていると仮定した場合、脂肪細胞が大きい低出生体重児では全体として体脂肪量が多い(太っている)必要があるからです。
 しかしこのような方法での脂肪細胞数の評価は、実際に脂肪組織をいただいて評価する必要があるので、日常診療ではハードルが高い方法です。一方で、早産児の場合は予定日周囲のアディポネクチンが脂肪細胞数を推定するのに役立つのではないかと考えています。アディポネクチンは脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンで、脂肪細胞数が増えるとその分泌能が増しますが、脂肪細胞の肥大が起こると分泌能が低下することが分かっています。実際に過去に私たちが行った研究では、早産児における予定日周囲のアディポネクチンは体脂肪量と正の相関を示し、通常の小児や成人で認められる肥満とは逆の関係が認められました。肥満では、通常脂肪細胞の肥大に伴いアディポネクチン分泌能が低下します。予定日周囲まではあまり脂肪細胞の肥大が起こらないことがその原因と推測されています。もちろんアディポネクチンは遺伝低体質によってそのもともとの分泌能が変化しますので、アディポネクチンのみで体全体の脂肪細胞数を決定することは不可能ですが参考にはなると思います。

 

質問2 SGA児には乳幼児期にcatch-up growthが見られる児とそうではない児がいますが、それを生後早期に推測する方法はありますか?

回答:
 明確に推測する指標はありません。しかし早産SGA児では、正期産SGA児と比較すると、明らかにcatch-up growthがみられにくいことがわかっています。正期産SGA児の3歳までの身長のcatch-up率は9割以上であり、その多くが6か月~1歳には成長曲線の枠内に入ります。早産SGA児は週数にもよりますが、より未熟な児では3歳までの身長のcatch-up率は7~8割程度といわれています。そもそも超早産児(在胎28週未満で出生した児)の成人身長は、-0.5~-1.0SD付近であるとの報告がありますから、SGA・AGAにかかわらず、早産の程度が強いほど低身長のリスクが高い(catch-upしにくい)ことを意味しているのではないかと考えています。また、SGAの中でも、出生時の体重/身長SDスコアが小さいほどcatch-up率が低いことはいくつかの研究から示唆されていますし、臨床の場でも実感するところであります。
 このように、出生時の在胎週数が未熟なほど、また体重/身長SDスコアが小さいほど、将来のcatch-up率が低下するのはなぜなのでしょうか?これは講演でもお話ししましたが、そのような児がより強く【倹約表現型】の性質(体質)を獲得した結果であると私は考えています。このような児の特徴は成長のポテンシャルの低下と体組成の変化(筋肉量の低下、体脂肪率の上昇)であり、体組成の評価が将来のcatch-up率の推測に役立つかもしれません。また、SGA児における成長のポテンシャル低下は成長ホルモンへの感受性低下に伴い、IGF-1が産生されにくいことが一因になっており、このメカニズムを解明することが将来のcatch-up率を推測するのに役だつのではないかと考えています。

 

質問3 未熟児で生まれた児の乳児期の栄養指導(乳汁や離乳食など)について、どのようにしたらよいか迷うことがあります。気をつけるべきことはありますか?

回答:
 このような悩みをもつ小児科医の先生は実際多いのではないかと思います。低出生体重児の成長と発達、将来の生活習慣病のリスクとの関係は表裏一体な部分があるからです。一般に、SGA児では体格がcatch-upする方が将来の発達が良好になりやすいことが分かっています。一方で、乳児期の急進なcatch-upは将来の肥満リスクを高めることも広く知られています。私は重要なことは”成長の質”であると考えています。catch-upの本質がlean body massの増加であるならそれは神経学的予後改善につながる可能性が高いと推測されますが、一方で体脂肪量の増加に伴う体重増加は必ずしも神経学的予後改善に寄与しないことが示唆されているからです。カウプ指数は乳児期の体脂肪蓄積を簡便に推測できる指標ですので、参考になると思います。カウプ指数が上昇しているなら、仮に身長のcatch-upがいまだおこっていないのだとしても、それ以上を栄養摂取量に求めるのは現実的ではありません。太らせているだけだからです。また、低出生体重児では、見た目以上に(カウプ指数以上に)体脂肪蓄積が進んでいる場合もあり注意が必要です。筋肉がつきにくいので”やせ肥満”となりやすく、カウプ指数では体脂肪蓄積を過小評価しやすくなります。キャリパーなどを用いた皮脂厚測定もおこなうと参考になるかもしれませんん。
 特に重度のSGA児/EUGR児の中には、極端に大きくなれない児/太れない児がいることを経験します。このような児の中には、摂食障害の判断で経管栄養(胃管からの注入)を併用されている児もいるようです。しかし実際のところは、大きくなれない体質が問題なのであって、彼らがミルクを飲まないのは体が必要としていないことが主な理由です。このような児に経管栄養でミルクを過剰にあげることは、単純に太らせているだけで、それは神経学的予後改善につながらないばかりか、肥満リスクを高めている可能性があります。もしくは、このような児では経管栄養でミルクをあげても太れなかったり、高脂血症をきたすことも経験しています。
 低出生体重児の栄養評価は、その児の生まれた周産期歴と成長の推移、体組成を推測しながら、個別におこなうことが求められると考えています。現在はまだぼんやりしていますが、今後より参考になるような指標を見つけていければと考えています。

※質問とそれに対する回答は他いもいただいています。適宜その紹介を追加いたします。

2020年10月10日

シンポジスト 第123回日本小児科学会 分野別シンポジウム

中野有也先生が第123回日本小児科学会学術集会でシンポジストとして発表しました。


分野別シンポジウム:The first 1000 days
座長:水野 克己 先生 昭和大学医学部小児科学講座   
日下 隆  先生 香川大学小児科

1. 胎児栄養と将来の影響 
   中野 有也 先生 昭和大学医学部小児科学講座
2. 新生児乳児の腸内細菌叢~妊娠中の生活から出産・新生児管理が及ぼす影響
   牧野 博 先生 ヤクルト本社中央研究所
3. 乳児栄養とその後の疾病罹患頼藤
   頼藤 貴志 先生 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 
4. 乳児栄養と生活習慣病
   東海林 宏道 先生 順天堂大学医学部付属順天堂病院 小児科・思春期科
5. 補完食
   加藤 育子 先生 香川大学医学部小児科
6. 生後2歳までの望ましい生活(ビタミンD、受動喫煙、メディア)
   川上 一恵 先生 かずえキッズクリニック


感想:今回はコロナ禍の影響ではじめてのWeb開催でした。シンポジウムは、実際に現地(神戸)に赴いた発表者と、Zoomを利用したオンラインでの発表者とを組み合わせたハイブリッドでした。聴講者はいないため少し寂しい形でしたが、無事発表を終えることができました。発表は8月21日(金)にライブ配信されましたが、2020年10月21日(水)12:00~11月20日(金)17:00までの期間でオンデマンド配信されます。

2020年08月31日

日本新生児成育医学会雑誌 DOHaD特集

中野有也先生の論文が日本新生児成育医学会雑誌のDOHaD特集に掲載されました。

日本新生児成育医学会雑誌 2019年 31巻2号

1.巻頭言 東海林宏道
2.DOHaD からみた体組成の重要性 中野有也
3.早産低出生体重児における将来の慢性腎臓病の関連 平野大志
4.早産IUGR 児の体格予後 東海林宏道
5.Adiposity rebound を活用した3 歳健診での肥満予防 市川剛、他


 


2019年12月05日

国際DOHaD学会 江畑晶夫先生が発表

江畑晶夫先生2019年10月20日~23日にメルボルンで開催された国際DOHaD学会でポスター発表しました。

Title:Male Low-Birth-Weight Infants Have Larger Adipocytes than Term Appropriate-For-Gestational-Age Infants during Infantile Period
Author:Akio Ebata, Yuya Nakano, Yoshiyuki Hasebe, Katsumi Mizuno

 

会期 :2019年10月20日~10月23日
開催国:Australia
場所 :Melbourne Convention and Exhiviton Centre


2019年10月24日には、[DOHaD Japan ASTRO主催]モナシュ大学ラボ見学ツアー@国際DOHaD学会2019 に参加し、モナシュ大学の生理学教室のメンバーと少人数でのミニシンポジウムをおこない、研究結果についてディスカッションしました。

2019年10月27日

中野有也先生が第43回ハイリスクフォローアップ研究会で特別講演をしました。

中野有也先生が下記の日程で開催された第43回ハイリスク児フォローアップ研究会でDOHaDと関連した特別講演を行いました。

会頭 :河野 由美 先生(自治医科大学小児科 母子医療センター新生児発達部)
会期 :2019年6月29日(土)~6月30日(日)
場所 :自治医科大学構内 (教育研究棟2階 大教室5 セミナー室(予定)

【特別講演】
日時:6月30日(日) 13:40~14:40
題名:早産児・低出生体重児とDOHaD
演者:中野有也(昭和大学医学部小児科学講座)

 

 

 

 

2019年08月02日

臨床DOHaDセミナー 第1回勉強会

2019年7月5日(金)に、臨床DOHaDセミナー主催の第1回勉強会が開催されました。
この勉強会はDOHaD研究を志す臨床家育成のためのものです。勉強会の内容は下記の講演でした。 

 座長: 中野 有也 先生(昭和大学小児科)
 演者: 鳴海 覚志 先生(国立成育医療研究センター)
  「英語論文の書き方講座」

国立成育医療研究センターの鳴海 覚志先生が、若手向けに「英語論文の書き方講座」を丁寧に解説してくださいました。DOHaD分野に関わらず若手臨床医には聞いてもらいたい内容で、1時間があっという間に感じられるほど引き込まれる内容でした。

●臨床DOHaDセミナーの勉強会は年1回7月ごろに開催される予定です。

 

2019年07月28日

江畑晶夫先生が第3回臨床DOHaDセミナーで発表

江畑晶夫先生が下記の日程で開催された第3回臨床DOHaDセミナーの一般口演においてDOHaDと関連した発表をしました。


日時:2019年1月19日(土)13:55~
場所:JCRファーマ株式会社東京事業所 大会議室
    〒105-0003 東京都港区西新橋3-3-1 KDX西新橋ビル5階
担当世話人:平野 大志(東京慈恵会医科大学 小児科)
共催:JCRファーマ株式会社

江畑晶夫先生はこの会で下記の発表をしました。
一般演題:早産児における予定日のウロテンシンⅡ濃度は子宮内発育と関係している
発表者:江畑 晶夫(昭和大学小児科)、他

 

今回の臨床DOHaDセミナーの一般演題は”腎臓”に焦点を当てた発表が多く、教育講演の内容も「ネフロンからみるDOHaDでした。特にネフロン数のカウント方法に関する発表は大変興味深いものでした。

 

 

 

2019年01月22日

学会発表 第63回日本新生児成育医学会学術集会

中野有也先生が第63回日本新生児成育医学会学術集会で発表しました。

第63回日本新生児成育医学会

学術集会は下記の日程で開催されました。
日程:2018年11月22日(木)~24日(土)
会場:都市センターホテル 海運クラブ
学術集会長:与田 仁志(東邦大学医学部新生児科学講座教授)


一般演題(口演) 栄養
11月22日(木):9:00~10:00
題名:PEA PODを用いた乳児体組成評価の紹介
発表者:中野有也、氏家岳斗、城所励太、長谷部義幸、宮沢篤生、板橋家頭夫、水野克己


(コメント)
PEA PODを導入して実際に運用が開始されてから気づいたこと

【良い点】
  1. 鎮静がいらない/多少動いていても問題ない
    (大啼泣・体動が強いと少し誤差が出そう・・・との印象あり)
  2. 胃管は挿入したまま測定できる(補正でき誤差も少ない)
  3. 測定手技は簡単で誰でも可能(看護師でも可能と思う)
【悪い点】
  1. 移動した後のチューニングが大変(環境の温度/湿度にならす必要あり)
   現在の当院での運用だと外現実的に来患者の測定はできない
  2. シリンダー内で尿・便をされることが比較的多い(裸で測定)
   中をきれいに拭いて測定しなおしが必要
   シリンダーは取り外せて洗うことも可能
  3. 測定時の帽子またはジェルは必須(使用しないと測定誤差が大きい→対表面積を過剰評価)

発表内容の抄録は下記をご覧ください。


実際に測定した児のデータを紹介


 


2018年11月22日

Berthod Koletzko 先生の特別講演を聴いて 第7回日本DOHaD学会

第7回日本DOHaD学会でBerthod Koletzko先生の特別講演を聴いて

特別講演1 (共催 : バイエル薬品株式会社)
題名:The importance of micronutrients during perinatal period
演者:Berthod Koletzko (University of Munich Medical Center, Munich, Germany)

 

【発表内容の紹介(聴講して感じたこと)」

 妊娠女性では葉酸やビタミンD、ビタミンB12、鉄やヨウ素などの微量栄養素の需要が増加するため、しばしばその不足が問題となります。その中でも葉酸は、DNAの合成や、DNAのメチル化に必要な栄養素であり、その不足は非常に重大な意味をもちます。DNAのメチル化は、DOHaD学説において体質変化が生じるメカニズムの根幹をなすものです。一般にDNAのメチル化が生じると、そのDNAの発現は抑制され、逆に脱メチル化によってその発現は活性化されます。つまり、葉酸不足でメチル化が生じにくくなると、通常行われる遺伝子発現の抑制が生じにくくなるなどの問題が生じる可能性があります。その他にも、葉酸の不足が、胎児の二分脊椎の発症リスクを高めることは、比較的多くの妊娠女性が知る事実ではないかと思います。

 Koletzko先生の講演を拝聴して非常に強く印象に残ったのは、日本で葉酸の摂取不足が大きな問題になっているということです。このような事実はDOHaD研究に携わる多くの日本人研究者がすでに耳にしているものではありました。しかし、世界の潮流とは逆行して明確に日本でその取り組みが遅れていることに強い危機感を覚えました。妊娠初期は臓器形成のために非常に重要な時期であり、この時期の葉酸欠乏は二分脊椎をはじめとした様々な先手異常が生じる原因となります。この時期の葉酸不足を防ぐためには、妊娠前から妊娠初期までの間の十分な葉酸摂取が必要です。日本でも妊娠女性も葉酸摂取を積極的にするようになったとは思いますが、実際は妊娠に気づいてから葉酸内服を開始しても、妊娠初期の臓器形成期に間に合わない可能性が高いという事実があります。そのため、世界中の多くの国ではすでに葉酸強化食品の導入などを介して妊娠前の普段の食事からの葉酸摂取を強化することにより、そのような先天異常のリスクを効果的に減少させているのです。翻って日本での現状は、海外のこのような取り組みに対して明らかに遅れをとっているといわざるを得ないと感じました。この問題は、日本DOHaD学会が問題提起していくことも重要ですが、やはり日本全体の問題として行政が優先して取り組むべき問題と思いました。


2018年08月18日

安次嶺馨先生の教育講演を聴いて 第7回日本DOHaD学会

第7回日本DOHaD学会で安次嶺馨先生の教育講演を聴いて

教育講演2
題名:日本のDOHaDの原点は沖縄にある
演者:安次嶺 馨 先生(沖縄県立中部病院ハワイ大学卒後医学臨床研修事業団)

 

【発表内容の紹介(聴講して感じたこと)」

 DOHaD学説は多くの疫学的調査の結果をもとに発展してきた概念です。その中でも、"Dutch Famine"はDOHaD研究に携わるものにとってに非常に有名な出来事です。Dutch Famine(オランダの大飢饉)では、第二次世界大戦末期にナチスドイツによってなされた出入港禁止処置のため、オランダの一部の地域で極度の食糧難に陥り、住民は約半年間にわたって極度の低栄養ストレスに曝されました。DOHaD研究では、このような低栄養ストレスに暴露された妊婦から出生した児がその後どのような転機をたどったかを調査することで、様々な知見が集積してきたのです。

 安次嶺馨先生のお話しでは、このようなDOHaDと関わるような問題が、日本の沖縄でも生じているというお話しでした。沖縄はこれまで日本の中でもっとも”長寿”の地域であることが知られていました。しかし戦時中の低栄養環境と戦後のいち早い食事の欧米化を原因として、現在戦時中に受胎した児の平均寿命は、医療水準が以前よりずいぶん向上したにもかかわらず、他県よりは短くなってきているようです。このような事実は海外で問題視され検証されている"Dutch Fmiine”や"Chinese Famine"と比較して、日本人のDOHaD研究者の中で認知されているものの、問題意識を強く持っている研究者はそう多くないのが現状です。沖縄が現在直面している問題は、将来日本全体がたどる可能性がある道であるという言葉が非常に印象的でした。このような事実は、DOHaD研究に携わるもののみならず、日本全体の問題として社会が認識してかなくてはいけないと強く感じました。

2018年08月17日

Lucus先生の特別講演を聴いて 第18回新生児栄養フォーラム

第18回新生児栄養フォーラムでLucus先生の基調講演を聴いて

シンポジウム 母乳強化栄養とDonor Milk
座長 順天堂大学小児科 東海林 宏道
   昭和大学小児科 中野 有也
基調講演「Exclusively Human Milk Diet」
  University College London/Child Nutrition Research, Centre Alan Lucus
1. 個別母乳強化栄養および早期母乳強化栄養
  昭和大学小児科 鈴木 学
2. 我が国の母乳強化粉末の課題
  森永乳業株式会社 健康栄養科学研究部 和泉 裕久
3. もらい母乳によるESBL産生大腸菌アウトブレイクの経験から
  福島県立医科大学感染制御部門 仲村 究
4. Donor Milkと母乳強化
  昭和大学江東豊洲病院新生児内科 櫻井 基一郎


【発表内容の紹介(聴講して感じたこと)」

 Lucas先生はUniversity College London Childhood Nutrition Research Centreの教授をなさっています。新生児・小児の栄養分野において世界的なleading personの一人です。数えきれないほどの業績を残しているので、詳細を紹介することは難しいのですが、400を超える論文を発表されており、Lucas先生が指導した先生の8名がすでに大学教授になっているといえばそのすごさがわかります。その他にも、1996年にロンドンにChild nutrition research centerを設立されたことは特筆すべき点です。このセンターはヨーロッパで最大の小児栄養の専門施設で、1982年に正式な臨床試験を開始し、生後早期の栄養が長期的なプログラミングに及ぼす影響(まさにDOHaDです)についての多数の臨床研究を行っており、うちいくつか30年以上にわたって前方視的に観察する研究を継続しています。 

 Lucus先生のお話しは「Exclusively Human Milk Diet」についてのものでした。すなわち、全ての乳汁をヒトの母乳由来のものにしようというお話しです。母乳栄養の重要性は世界的にもよく知られておりますが、早産低出生体重児、特に極低出生体重児において母乳が不足する場合の対応は国や施設において大きく異なります。日本は母乳バンクがまだ一般的ではありません(下記の記事をご覧ください)

 

 通常、NICUでの母乳が不足する場合には牛由来(牛乳由来)の人工紛乳を用いるわけですが、これが短期的にも長期的にもいろいろな病気のリスクを増加させることがわかってきているのです。母乳バンクがもっと普及すれば、これを変えることができるのです。母乳強化パウダーを使用した栄養管理についても、人工乳(未熟児用粉乳)と比較すればずいぶんよいのですが、牛由来(牛乳由来)の蛋白質を用いているという点では、未熟児用粉乳と変わりません。Lucus先生はこれをヒトの母乳由来のパウダーにすべきと考えておられました。実際にそのような動きは世界的にはあり、昭和大学でも研究レベルですがそのような試みに取り組んでいます。牛由来(牛乳由来)の人工粉乳を用いることによって将来生じる疾病のリスク、その場合にかかる医療費まで考慮すれば、今の人工乳は非常に高い買い物であると表現されていました。

 母乳バンクや他人の母乳由来の粉ミルクをあげることは、もしかしたらやや抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし母乳バンクば世界的にはむしろ標準になりつつあり、牛の乳を飲むことは当たり前、必要なら輸血も当たり前という現状を考えれば、ただの杞憂なのではないかと思います。赤ちゃんの将来の健康を守るために、よりよい栄養管理方法みつけ、それを実現できるシステムを作っていく必要があると感じました。


2018年06月18日

板橋家頭夫先生の特別講演を聴いて 第18回新生児栄養フォーラム

第18回新生児栄養フォーラムで板橋家頭夫先生の特別講演を聴いて

特別講演

座長:和田 和子 先生(大阪母子医療センター新生児科)
演者:板橋 家頭夫 先生(昭和大学病院 病院長)
題名「早産低出生体重児の栄養管理 -現状と展望-」

【発表内容の紹介(聴講して感じたこと)」

 新生児栄養フォーラムは今回で第18回を数えるまでとなり、今でこそ参加希望者も多く会場も満席状態となっていますが、板橋家頭夫先生が中心メンバーの一人として始められた当初は今ほど早産低出生体重児に対する栄養管理が重要視されておらず、呼吸管理や循環管理などと比較して人気のない分野だった様です。板橋家頭夫先生のご講演は早産低出生体重児に対する栄養管理が過去にどのように考えられ、その戦略がどのように進歩してきたのか、その歴史を感じさせるものでした。様々な進歩があり死亡率は大幅に改善しましたが、その一方で長期予後の問題を考えれば現状は決して満足できる状況にはなく、むしろ問題は山積していると感じているのではないかと思います。

 極低出生体重児に対して生後早期から十分な栄養をとのコンセプトからはじまったEarly Aggressive Nutritionが開始され子宮外発育不全(EUGR)発生率がずいぶんと改善した一方で、Lean Body Massが反映する身長や筋肉量などの増加は不十分であり、これが神経学的予後にも関連していることが紹介されました。十分な栄養摂取をめざして母乳強化パウダー(HMS-1 HMS-2)を使用していますが、それでは母乳中の蛋白濃度の個人差や経時的変化に対応することができず、それには蛋白の個別強化が有用であること、個別強化の方法としては母乳分析器を用いたtarget fortificationと血清BUN値に基づいたadjustable fortificationがあり、両者には同等の効果が期待でき、従来からの標準強化と比較して目標となる身長SDスコアの改善が得られたことなどが紹介されました。また、生後早期からの十分な栄養摂取を実現するための母乳早期強化の研究の紹介、体組成を評価するための新しい医療機器(PEA POD)についての紹介などもなされました。一方で、これまでは栄養摂取量を十分にすることに主眼がおかれてきましたが、栄養を有効利用できない他の要因(感染や炎症など)を同時に解決していくことが、児の成長を正常化するのに重要である可能性が高いこと、海外で行われているIGF-1リコンビナント製剤投与の研究の紹介なども行われました。

板橋家頭夫先生は今年3月に昭和大学小児科学講座の主任教授を退官され、現在は昭和大学病院の病院長としてご活躍されております。新生児栄養分野のこれまでの取り組み、その灯を我々の世代が守っていかなくてはいけないと強く感じるご講演でした。


2018年06月18日

学会発表 第18回日新生児栄養フォーラム

第18回新生児栄養フォーラムが下記の日程で開催され、昭和大学からは以下のようなDOHaD関連の発表がなされました。

第18回新生児栄養フォーラム
会期:2018年6月16日(土)~6月17日(日)
場所:昭和大学4号館600号室担当世話人:宮沢 篤生 先生

(6月16日)
トレーニングコース1  
1. 授乳方法の違いはアレルギー疾患の発症に関与するのか?  
   昭和大学小児科 今井 孝成
トレーニングコース2  
4. 未熟児骨代謝性疾患の病態と栄養管理  
   昭和大学横浜市北部病院こどもセンター 村瀬 正彦

ランチョンセミナー
「体組成からみた早産低出生大体重児の予後」
   昭和大学小児科 中野 有也

シンポジウム 母乳強化栄養とDonor Milk
  座長 順天堂大学小児科 東海林 宏道   
     昭和大学小児科 中野 有也
基調講演「Exclusively Human Milk Diet」  
  University College London/Child Nutrition Research, Centre Alan Lucus
1. 個別母乳強化栄養および早期母乳強化栄養  
  昭和大学小児科 鈴木 学
2. 我が国の母乳強化粉末の課題  
  森永乳業株式会社 健康栄養科学研究部 和泉 裕久
3. もらい母乳によるESBL産生大腸菌アウトブレイクの経験から
  福島県立医科大学感染制御部門 仲村 究
4. Donor Milkと母乳強化
  昭和大学江東豊洲病院新生児内科 櫻井 基一郎

特別講演  座長 大阪母子医療センター新生児科 和田 和子
早産低出生体重児の栄養管理 -現状と展望-  
  昭和大学病院 板橋 家頭夫

会場はほぼ満席となるくらいの盛況ぶりでした!
会終了後には計20名弱の希望者が、昭和大学病院NICUおよびそこに設置しているPEA PODを見学してくださいました。


主要な発表についての概略・コメントは下記をご覧ください。

 

 


2018年06月17日

昭和大学病院にPEA PODが届きました

 2018年4月11日(水)、PEA PODが昭和大学病院NICUに届きました。PEA PODは以前の記事でも紹介したことがありますが、乳幼児の体組成を被爆なくかなり正確に測定することができる新しい医療用機器です。このたび日本で初めて昭和大学病院NICUに納品されました。これまで昭和大学病院では、乳幼児期の体組成評価にDEXA(二重X線吸収法)などを用いて行っていました。しかし、検査室まで搬送して行う検査で微量ながら被爆も伴うため、未熟児の診療の中で繰り返し評価することは現実的ではありませんでした。PEA PODで体組成を評価することができる対象は1kg-8kgで、測定時間が2分+αとかなり簡便に、しかもベッドサイドで繰り返し評価できるという点で非常に優れています。DOHaDとの関連では、未熟児のNICU入院中の体組成の変化がその後の発達と関連することが報告されており、彼らの長期的な児の予後を考えるうえで、体組成は今後重要な評価項目の一つになると考えています。今後、昭和大学病院で得られた知見は、学会などで報告し新生児医療の発展に寄与できればと思っています。

 実際に届いたPEA PODの印象は、大きめの超音波検査機器といった大きさで、かなりの精密機械です。測定場所の状況に合わせた調整を行い、4月13日(金)に初の測定を経験しました。慣れるまでは少し時間がかかりそうですが、今後日々の臨床や今後の周産期医療の発展に寄与できるよう、長期的な研究計画を立案したうえで運用していきたいと思っています。

 ご期待ください!


2018年04月15日

江畑晶夫先生、中野有也先生が第2回臨床DOHaDセミナーで発表

江畑晶夫先生、中野有也先生が下記の日程で開催された第2回臨床DOHaDセミナーの一般口演においてDOHaDと関連した発表をしました。


第2回臨床DOHaDセミナー
日時:2017年2月17日(土)
場所:御茶ノ水センタービル4階第2会議室
担当世話人:東海林 宏道(順天堂大学小児科)

①乳幼児の血清Myokine濃度に影響を与える因子の検討
    演者:昭和大学医学部小児科学講座 江畑昌夫、他5名

 

②【話題提供】 最近のDOHaD研究
    演者:昭和大学医学部小児科学講座 中野有也

 

中野有也先生の発表内容(話題提供と関連した記事は下記をご覧ください。

 

2018年02月19日

中野有也先生が小児成長研究会の幹事に就任しました。

中野有也先生が、小児成長研究会の幹事に就任しました。

小児成長研究会は1998年に第一回の研究会を開催して以降、年2回、昨年までに計38回の研究会開催を継続している「小児の成長」を題材とした研究会です。成長は「DOHaD学説」の中において重要な因子です。中野有也先生はこのたび小児成長研究会の幹事に就任することが決定しました。

次回第39回の研究会は下記の日程で開催予定です。
興味のある方は是非お越しください。

日時:2月24日(土) 14:50~
場所:TKP ガーデンシティ PREMIUM 神保町 「フォレスト」
〒101 -0054東京都千代田区神錦町 3-22


2018年01月12日

学会発表 第62回日本新生児成育医学会学術集会

中野有也先生が第62回日本新生児成育医学会学術集会で発表しました。

第62回日本新生児成育医学会

学術集会は下記の日程で開催されました。
日程:2017年10月12日(木)~14日(土)
会場:ソニックシティ
学術集会長:側島 久典 先生(埼玉医科大学総合医療センター新生児部門)


一般演題(口演) フォローアップ3
10月14日(土):9:00~10:00
題名:極低出生体重児の超長期予後 ~フォローアップ施設を中心とした後ろ向き研究~
発表者:中野有也、板橋家頭夫、九島令子、吉田丈俊

(コメント)
 本検討から極低出生体重児(1,500g未満で出生)では、成人期に血圧や腎機能低下の指標であるシスタチンCが有意に高く、尿蛋白陽性例も多い傾向があることわかり、慢性腎臓病のリスクが高いことが示唆されました。慢性腎臓病ではいったん失われた腎機能を改善させることは困難です。終末期は腎透析が必要となるため、早期発見早期介入が必要な病気です。しかし、病初期は無症状で検査をしなければ早期に発見することはできません。
 今回の検討や過去の報告を踏まえると、特に出生体重が小さい児(1,000g未満)はハイリスクで、症例にもよりますが思春期以降に発症していく例が多いようです。学校検尿では見つけられない例もあり、実際に今回の研究参加ではじめて病気が見つかった人もいましたから、ハイリスク児を早期に拾い上げるためのガイドライン(検査指針)が今後必要となってくるでしょう。

発表内容の抄録は下記をご覧ください。

 

本研究は下記の研究と関連した発表です。

 


2017年10月16日

第6回日本DOHaD学会 井村裕夫先生の特別講演を聴いて

第6回日本DOHaD学会学術集会で井村裕夫先生の特別講演を聴いて

特別講演2

座長:福岡 秀興 先生(早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構規範科学総合研究所)
演者:井村 裕夫 先生(京都大学名誉教授・元総長、現在稲盛財団会長、先端医療振興財団名誉理事長)
題名「先制医療、精密医療(precision medicine)とDOHaD」

 

井村裕夫先生については下記をご覧ください。

 

【発表内容の紹介(聴講して感じたこと)」

 井村先生の特別講演は、主に先制医療の概念を、オバマ元米国大統領が提唱した「精密医療(precision medicine」という概念との類似点や相違点に触れながらわかりやすく説明し、DOHaD研究における今後の道筋を示すような内容でした。現在全世界では高齢者の増加に伴い、加齢に伴う様々な疾病の予防と治療が重要な課題となっていること、この問題を解決するためには個人の遺伝素因や胎生期からの生活環境、病歴などに基づく「個の医療」「個の予防」が大切であり、先制医療はその後者にあたることが述べられました。そして先制医療とは、Non-communicable diseaseにおいて、発症レベルに達する前に介入しこの発症を積極的に予防するものである点が重要であることが紹介されました。
 先制医療の実現に向けて実際の例をいくつかあげられていましたが、印象深かったのはアルツハイマー病に対する先制医療の可能性についてです。少なくともアルツハイマー病の一部では、脳内でアミロイドβ蛋白質が凝集しており、それがアルツハイマー病患者における脳神経細胞の死滅へとつながる可能性が示唆されてますが、これはアルツハイマー病が発症する数十年前から認められはじめます。最近の医療の進歩もあってこれを発症前にPETで検出することが可能であること、これを発症前に治療しうるようになってきたことが紹介されました。現在は同様の状況に陥ってもアルツハイマー病を発症する人としない人との違いを区別することが難しいようですが、さらにその病態が明らかとなればこの分野の「先制医療」が実現できるかもしれません。

 講演ではその他にも、大気汚染と自閉性スペクトラム障害との関係について、学歴とアルツハイマー病リスクについて、虐待やストレスと脳のコネクトーム障害について、など非常に興味深いお話しを多数聴くことができました。先制医療実現のための課題はいまだ多いのが現状ですが、それに見合うだけの魅力がこの分野にある事を再認識しました。

虐待とDOHaDについての過去の記事は下記をどうぞ。


2017年08月28日

第53回日本周産期新生児医学会 Frank Bloomfield先生の講演を聴いて

第53回日本周産期新生児医学会学術集会でFrank Bloomfield先生の講演を聴いて

招待講演1

座長:伊東 宏明 先生(浜松医科大学産婦人科学講座)
演者:Frank Bloomfield(Liggins Institute, Auckland)
題名「Nutrition in fetal and neonatal life and effects on the pacreas」

 

Frank Bloomfield先生については下記をご覧ください。

 

【発表内容の紹介(聴講して感じたこと)」

発表内容は、1. 早産と膵機能、2. 栄養摂取と膵機能の変化、3. その他、についてでした。

1. 早産と膵機能について、
 〇早産は糖尿病のリスクを増加させるファクターであり、成人期早期にはその傾向が認められる。
 〇単純なインスリン抵抗性だけではなく、膵細胞の機能不全がそこに関連しているようである。
 〇羊の研究では、早産は成人期の膵細胞のmassを減少させる。
 〇分娩前のステロイド投与は、膵保護に働く可能性がある。

2. 栄養摂取と膵機能の変化について
 〇羊の研究では、生後最初の2週間の栄養が離乳期の膵機能に影響を与える。
   膵細胞のmass/膵糖サイズが変化しインスリン分泌能にも変化が生じる
 〇羊の研究では、栄養摂取に伴う膵臓におけるmRNAの変化には男女差が認められる。
   男ではインスリン分泌能が増す
 〇新生児の栄養がのちに及ぼす影響には男女差があることは、ヒトでもある程度エビデンスがある。

3. その他について
 〇早産児にとって、経験栄養実施における”匂い”や”味”の暴露は、重要なファクターかもしれない。

 

 早産と生活習慣病リスクについて、膵臓のインスリン分泌能に着目してお話しをされており、非常に興味深い内容でした。さらに特に早産児の栄養管理には効果に性別差があること(性別に応じた栄養管理を検討すべき?)、匂いや味の重要性になどにも触れ、今後の研究のひとつの方向性を示す話題であったように感じました。

 Liggins研究所はニュージーランドオークランドにあるDOHaD研究の世界的拠点の一つです。
過去には日本DOHaD学会とLiggins研究所を母体として、日本とニュージーランドで共同研究を進めるための二国間の共同セミナーを開催されています。


2017年07月27日

第53回日本周産期新生児医学会 DOHaD関連シンポジウムを終えて①

第53回日本周産期新生児医学会学術集会でのDOHaD関連シンポジウムを終えて
シンポジウム7「先制医療の実現に向けた課題 DOHaDを臨床に生かすために」

シンポジウム7 「先制医療の実現に向けた課題 DOHaDを臨床に生かすために」
座長:吉田 丈俊 (富山大学附属病院周産母子センター)   
   中野 有也 (昭和大学医学部小児科学講座)
1. 基調講演 児の長期予後に影響を与えるNICUでの環境
  中野 有也(昭和大学医学部小児科学講座)
2. 早産児・SGA児における臍帯血・生後末梢血検体を用いた網羅的メチル化解析
  鹿嶋 晃平(東京大学附属病院小児科)
3. 早産低出生体重児における将来の慢性腎臓病のリスクとライフコース・アプローチ
  平野 大志(東京慈恵会医科大学小児科学講座)
4. 小児肥満・メタボリックシンドローム予防における早期adiposity reboundの意義
  市川 剛(那須赤十字病院小児科))

 

【「基調講演 児の長期予後に影響を与えるNICUでの環境」の発表要旨】
①DOHaDの一般的な概念の確認
②児の長期予後に影響を与えるNICUでの環境として、「栄養管理」「腸内細菌叢」「ストレス制御」の3つをあげそれぞれについての知見を紹介した。
 1. 栄養管理・・・・一時的であっても発育不全を生じさせないことが重要
      単なるEUGR回避を目標とするのではなく、成長の質(体組成)を正常に近づけることが重要
 2. 腸内細菌叢・・・Microbiotaの重要性(プロバイトティクス、母乳栄養の推進)
 3. ストレス制御・・痛み/感染症などのストレス暴露を可能な限り減らすことが重要
          ディベロップメンタルケアの重要性の再確認
④DOHaDを臨床に生かすための課題
 1. 不利益な体質変化の回避(良好なNICUでの環境)
 2. すでに体質変化が生じた場合 可逆的であれば積極的な介入が有効?
                 原因となるエピゲノム変化と疾病リスクの把握
 3. 生じてしまった疾病リスクを早期にみつけ悪化させないようにすることの重要性
                 ハイリスク児のフォローアップをどうするか?

(感想)早産低出生体重児の救命率が向上するにつれて、彼らの長期予後の問題が重要視されるようになっています。DOHaDはそういった観点から、非常に興味深く重要な概念です、実際に最近は臨床医の間でもDOHaDの概念の重要性が知られるようになってきていますが、これを臨床の場に生かそうと思うと、それは容易な事ではありません。将来の疾病リスクにつながるような不利な体質を獲得しないためにどうしたらよいか、早産低出生体重児の中でも特にハイリスクな児をどのようなフォローアップし介入していくか、をまず考えていかなくてはなりません。将来的には、エピゲノム変化に可逆性のある時期に環境変化や食事、投薬などによって疾病リスクを軽減することができれば理想的ですが、いまだ道半ばです。このような臨床に即した議論を継続して行っていくことが大切であると感じました。


2017年07月20日

第53回日本周産期新生児医学会 DOHaD関連シンポジウムを終えて②

第53回日本周産期新生児医学会学術集会でのDOHaD関連シンポジウムを終えて
シンポジウム4「早産児の栄養管理のトピックス」

シンポジウム4 「早産児の栄養管理のトピックス」
座長:宮沢 篤生(昭和大学医学部小児科学講座)
   東海林宏道(順天堂大学医学部小児科学講座)
1. 母乳バンクについて~母乳バンク運用と極低出生体重児への使用経験~
  櫻井 基一郎(昭和大学江東豊洲病院新生児内科)
2. 出生後の栄養管理と電解質異常について
  水本 洋(公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院小児科)
3. 極低出生体重児に対する個別強化母乳
  村瀬 正彦(昭和大学医学部小児科学講座)
4. 新しいNutrition Calculatorを用いた極低出生体重児の栄養管理の実際
  宮沢 篤生(昭和大学医学部小児科学講座)
5. Microbiotaと予後  久田 研(順天堂大学医学部小児科学講座)

 

【昭和大学小児科で行っている新生児栄養の研究について】
児の長期予後に影響を与えるNICUでの環境として、「栄養管理」は重要なファクターです。

 

 昭和大学小児科で現在取り組んでいる臨床研究のなかで、DOHaDと関係のある新生児栄養に関する研究としては、「極低出生体重児における静脈栄養」、「母乳強化パウダーの改良(蛋白個別強化、早期強化)」、「母乳研究(母乳バンクなど)」などがあげられ多岐にわたっています。このシンポジウムでは「極低出生体重児に対する蛋白個別強化」や「母乳バンクの経験-社団法人化について-」、「栄養管理を行っていくためのNutrition Calculatorの開発」についての発表がありました。

 

現在はこれに加えて、「母乳強化パウダーの早期開始についての研究」や「生後早期の栄養管理と体組成との関係(PEA PODを用いて評価)」、新生児栄養と脳の発育(MRIで評価)などが実施中または実施準備中です。
2017年07月20日

板橋家頭夫先生、中野有也先生がNHK番組に出演しました。


板橋家頭夫先生、中野有也先生がNHK番組「なるほど実感報道ドドド」に出演しました。

テーマは「子ども時代が影響する大人の健康状態」という内容で、低出生体重児における疾病リスクや子ども時代の成育環境の重要性について取り上げた番組です。

6月2日(金) 19:30~20:00
番組名    なるほど実感報道ドドド
テーマ    子ども時代が影響する大人への健康状態



九州、沖縄地域限定の番組でしたので、関東在住の方はご覧いただくことはできませんでした。少しずつ、DOHaDをテーマとした一般向けのこのような番組が増えてこれば、DOHaDが一般に認知されてくるのではないかと期待しております。


2017年06月03日

第1回臨床DOHaDセミナーを主催

昭和大学小児科の中野有也先生を代表世話人として、平成29年2月25日に第1回臨床DOHaDセミナーを開催しました。

第一回ということもあり小規模ではありましたが、大変熱い議論をすることができ、盛会のうちに学術集会を終わることができました。


昭和大学小児科からは、中野有也先生が教育講演を、渡邊佳孝先生が一般演題で口演発表をしました。



2017年03月01日

中野有也先生がAssociate Editor 就任しました

中野有也先生が、2017年1月から、Journal of Devepomental Origins of Health and Disease の Associate Editorに就任しました。

Journal of Developmental Origins of Health and Diseaseは、国際DOHaD学会の機関紙です。まだ創刊からまもない新しい雑誌ですが、DOHaD研究に関する様々な研究報告が紙面上でなされています(2015年のimpact factorは1.733でした)。

日本DOHaD学会にも機関紙「DOHaD研究」があり、中野有也先生はこの雑誌の編集委員としても活動しています。ぜひDOHaDに関わる研究結果を、それぞれの機関紙にご投稿ください。

Associate Editorは、雑誌に投稿された論文の草案を確認し適切な人(その分野の専門家)に査読を依頼する仕事です。査読者からの論文評価をもとに、論文を受理すべきかどうかを評価し、Associate Editorとしての判断をします(最終的にはより上位のEditorがその是非を決定します)。


2017年01月18日

小林梢先生の記念講演

小林梢先生のDOHaDと関わる下記の論文が、日本新生児成育学会の学会賞受賞論文に選定され、第61回日本新生児成育医学会学術集会で記念講演が行われました。


小林梢、櫻井基一郎、板橋家頭夫、滝元宏、中野有也、宮沢篤生、村瀬正彦、三浦文宏、相澤まどか、水野克己.早産低出生体重児におけるNICU入院中の身体測定値SDスコアの推移に関する検討日本未熟児新生児学会雑誌 2015年27巻1号 Page77-83.

第61回日本新生児成育学会学術集会
会期:2016年12月1日(木)~ 12月3日(土)
会場:大阪国際会議場


2016年12月02日

渡邊佳孝先生が昭和大学小児科同門会で記念講演

渡邊佳孝先生のDOHaDと関わる下記の論文が、昭和大学小児科同門会で優秀演題表を受賞しました。2016年度の小児科同門会は下記の日程で行われ、渡邊佳孝先生が記念講演を行いました。

会期:2016年11月13日(日)13時~
会場:ニューオータニイン東京(大崎) 4階 相生 および 3階 おおとりの間

渡邊佳孝、板橋家頭夫、滝元宏、宮沢篤生、中野有也、村瀬正彦、山川琢司.
極低出生体重児における修正40週の体格と脳容量に関する検討.
日本新生児成育学会雑誌 2016年28巻1号 Page31-38.

 


2016年11月28日

教育講演 第30回日本小児脂質研究会

中野有也先生が第30回小児脂質研究会でDOHaDと関連した教育講演を行いました。

本研究会の学術集会は昭和大学小児科の土橋一重先生を会頭に行われました。

教育講演2 低出生体重児の栄養とDOHaD

座長:花木 啓一(鳥取大学医学部保健学科)
演者:中野 有也(昭和大学医学部小児科学講座)

 

一般演題でも、田中大介先生および永原敬子先生が肥満や脂質異常に関する発表を行いました。

1.田中大介、土橋一重、豊田純也、石川琢也、永原敬子、中野有也、板橋家頭夫、杉原茂孝
東京都江東区小児生活習慣病予防健診のデータ解析による小4と中1のnon-HDL-CおよびLDL-C/HDL-C比

2.永原敬子、高木優樹、山口克彦、大竹明、山口崇、村野武義、武城英明、長谷川行洋
LPL遺伝子変異を同定した家族性リポタンパクリパーゼ欠損症の乳児例

 

日本小児脂質研究会終了後にした記念撮影

 

2016年11月28日

臨床DOHaDセミナー発足

臨床DOHaDセミナーの発足

 さて、以前もこのホームページ内でお知らせいたしました通り、「DOHaDの概念を臨床に生かすためにはどうしたらよいか?」をテーマとして、若手中心の新しいDOHaD研究会が新たに発足することになりました

各世話人の先生方とのご相談の結果、研究会名は「臨床DOHaDセミナ-」に決定しました。

事務局は昭和大学DOHaD班が行います。

第1回の学術集会は2017年2月25日(土)に昭和大学(東京都品川区旗の台)で開催されます。
DOHaDに興味のある方、臨床にDOHaDを生かしたい方、DOHaDの臨床研究に興味のある方は、は是非ご参加ください。
また、HPもありますので是非ご覧ください。


世話人代表 中野 有也(昭和大学小児科)
顧問    板橋家頭夫(昭和大学小児科)
世話人   市川 剛 (那須赤十字病院小児科)
      東海林宏道(順天堂大学小児科)
      鈴木 学 (昭和大学小児科)
      長沖 優子(聖路加国際病院小児科)
      中野 有也(昭和大学小児科)
      平野 大志(東京慈恵会医科大学小児科)
      吉田 丈俊(富山大学附属病院周産母子センター新生児部門)

共催企業  JCRファーマ株式会社

2016年11月28日

昭和大学病院NICU卒業生の会 2016年

平成28年10月2日(日)に、昭和大学病院NICU卒業生の会が開催されました。昭和大学病院ではNICUを退院された下記の方を対象に毎年卒業生の会を実施しています。

ぱんだの会: 昭和大学病院NICUに2週間以上入院したお子さまとご家族(2015年度に入院)
こぐまの会: 昭和大学病院NICUに入院した出生体重1,500g未満のお子さまとご家族
       (2011~2014年度に入院)

こぐまの会では中野有也先生が極低出生体重児(出生体重<1,500g)で出生した児とご家族を対象に「あなたのお子さんは大丈夫?小さく生まれた児がかかりやすい病気」をテーマに講演しました。

2016年10月19日

学会発表 第43回日本小児消化器栄養肝臓学会

永原敬子先生が第43回日本小児消化器栄養肝臓学会で発表しました。

第43回日本小児消化器肝臓学会

会期:2016年9月16日~18日
会場:つくば国際会議場
会長:須磨崎 亮(筑波大学医学部小児科)

演題名:肥満小児における殿囲身長比、腹囲身長比の意義
発表者:永原敬子、土橋一重、田中大介、板橋家頭夫

発表内容の詳細は下記をご覧ください。

Dobashi K, Takahashi K, Nagahara K, Tanaka D, Itabashi K.Evaulation of Hip/Height Ratio as an index for adiposity and mtabolic complicartions in obese children: Comparison with waist-related indices.J Atherosler Thromb 2016 Epub ahead of print


2016年10月16日

臨床のためのDOHaD研究会の発足準備

臨床のためのDOHaD研究会の発足 準備

「はじめに」
 みなさんご存知のように、胎児期や生後早期のいわゆる発達過程は、将来の病気のリスクを決定するいわばwindow periodです。この時期からのよりよい食育や成育環境を通して将来の疾病リスクを減ずること、さらに個々の遺伝的背景をもとに疾病リスクに対して早期から介入していく、いわゆる「先制医療」の概念が注目されています。「病気になる人を待つ」これまでの医療とは全く異なった「先制医療」が今後求められる時代がやってくると確信しています。
 しかし一方でDOHaDの概念を日々の診療に生かしていくことには困難が伴います。なぜならば、まず圧倒的にエビデンスが不足しており、それを臨床に生かす術が明らかではないからです。実際、私が日常診療で担当する機会が多い早産低出生体重児においても、①NICUでどのような管理を行うのがよいか、②どのようなタイミングで彼らをフォローアップし何を評価すべきなのか、③異常がみつかった児、リスクの高い児に対してどのように介入するのがよいか、がわからず手探りで診療にあたっているのが現状です。また、学問としてのDOHaD研究には、臨床家には難しい概念も多く含んでおり、臨床家が興味をもってもこの分野に入ってきにくい現状があるのではないかと思います。そこで私たちは以下のコンセプトでの新しい研究会立ち上げを模索いたしました。

「コンセプト」
 ○臨床家(コメディカルを含む)中心のDOHaD研究会
 ○若手中心のDOHaD研究会(若手が活躍できる研究会)
 ○各分野の小児科医を中心としつつも、産婦人科医や内科医などとも連携

 

現在上記をコンセプトとした新しい研究会の立ち上げ準備をしています。
事務局は昭和大学DOHaD班が行います。
近日中にHPを作成しますので是非ご覧ください。

世話人代表 中野 有也(昭和大学小児科)
顧問    板橋家頭夫(昭和大学小児科)
世話人   市川 剛 (那須赤十字病院小児科)
      東海林宏道(順天堂大学小児科)
      鈴木 学 (昭和大学小児科)
      長沖 優子(聖路加国際病院小児科)
      中野 有也(昭和大学小児科)
      平野 大志(東京慈恵会医科大学小児科)

共催企業  JCRファーマ株式会社

2016年09月10日

第5回日本DOHaD研究会学術集会に際して

2016年7月23日(土)~7月24日(日)に下記の概要で第5回日本DOHaD研究会が開催されました。
昨年の学術集会は昭和大学での開催でしたが、今年は国立成育医療研究センターでの開催でした。

会期:2016年7月23日(土)~7月24日(日)
会場:国立成育医療研究センター講堂
会長:秦健一郎(国立成育医療研究センター研究所 周産期病態研究部)
事務局:河合智子(国立成育医療研究センター研究所 周産期病態研究部)
テーマ:DOHaDをひろげる


昭和大学からは産婦人科の小出馨子先生、小児科の中野有也先生が実行委員として開催準備に携わりました。
学術集会には約180人が参加し、会は大盛況で終わることができました。


今回の学術集会では、ニュージーランドのLiggins研究所からFrank Bloomfield先生、Justin O'Sullivan先生の二人の先生をご招待しご講演をいただきました。また、7月23日のランチタイムにはMeet the professorsの企画があり、お二人を囲んで昼食の場が設けられました。ポスターセッションではお二人を座長とした英語発表の場も設けられました。中野有也先生はお二人の接遇を担当する一人として大変貴重な経験をする機会を得ました。

今年度の優秀演題賞として、鹿島晃平先生(東京大学大学院小児科)、栃谷史郎先生(福井大学子どものこころの発達研究センター)、王天英先生(浜松医科大学神経生理学講座)が表彰されました。昭和大学からは産婦人科の川嶋章弘先生がご発表されました。

 


2016年07月29日

日本DOHaD研究会「若手の会2017」が昭和大学内で開催されました。

 例年と同じように、今年も日本DOHaD学会「若手の会」が8月25日(金)に昭和大学内で開催されました。 3回目の会にあたる今年度の若手の会には、16名の若手研究者および臨床医が集まり、研究活動の紹介や日常で感じているDOHaDに関する疑問、今後の活動内容についての相談がなされました。参加者の中には学生や研修医の先生もいて、小規模な会の利点をいかして親密な交流や情報交換がなされました。昭和大学小児科からも中野有也先生、長谷部義幸先生、小林梢先生、渡邊佳孝先生、茂木桜先生と研修医の先生がこの会に参加しました。若手の会が終了した後には、昭和大学のある旗の台駅周辺のお店で懇親会が開かれ、楽しい時間を過ごすことができました。

 今回の「若手の会」に先立って、今後の活動内容に関するアンケート調査がなされ、講演を聴きたい(勉強したい)分野、シンポジウムで取り上げてほしい(発表したい)分野などに関しての意見聴取がなされました。例えばエピゲノムについての基本的事項に関する講義など、ふだん臨床医にとっては難しいと感じるような内容について専門家を交えて一から学べる勉強会を企画してはどうかなどの意見がだされました。また、第6回日本DOHaD学会学術集会では、「若手の会」企画のシンポジウムが採用されていますが、来年以降も同様の機会を考えたり、海外との共同研究拠点形成事業における若手研究者の公募予定など、今後の「若手の会」の活動内容について話し合いが行われました。

中野有也先生は、日本DOHaD研究会「若手の会」の世話人の一人としても活動しています特に臨床医の先生でこの分野に興味のある先生お声がけいただけませんか?「若手の会」の参加者は、原則的には日本DOHaD研究会の会員の先生ですが、ご希望があれば非会員の先生も参加頂けますのでご相談ください。この会を通して、DOHaDに興味をもってもらい、今後一緒に活動していければ大変うれしく思います。

 

 

2016年07月27日

日本DOHaD研究会「第2回若手の会」が昭和大学内で開催されました.

 昨年に引き続き、日本DOHaD研究会「若手の会」が7月22日(金)に昭和大学内で開催されました。
2回目の会にあたる今年度の若手の会には、20名を超える若手研究者が集まり、研究活動の紹介や今後の活動内容について相談がなされました。参加者の中には学生や研修医の先生もいて、小規模な会の利点をいかして親密な交流や情報交換がなされました。昭和大学小児科からも中野有也先生、豊田純也先生、研修医の先生の3名がこの会に参加しました。若手の会が終了した後には、昭和大学のある旗の台駅周辺のお店で懇親会が開かれ、楽しい時間を過ごすことができました。

 DOHaD研究は関係する分野の幅が多岐にわたっており、基礎研究者から臨床医まで様々な人が関係しています。臨床医にとっては関係する基礎研究の知識が不足しており、かれらのDOHaDに関する発表が難しく感じることもあると思いますし、一方で基礎研究に従事する先生にとっては、基礎研究から得られた結果が意味する臨床的な意義が感じられにくいこともあるかもしれません。「若手の会」は基礎研究者から臨床家までいろいろな分野の人が集まり、しかも人数が少ない分距離も近く人的交流の場としても最適です。今後、この集まりを通して、多くの若手の研究者のつながりができていけばよいなと感じています。

中野有也先生は、日本DOHaD研究会「若手の会」の世話人の一人としても活動しています特に臨床医の先生でこの分野に興味のある先生お声がけいただけませんか?「若手の会」の参加者は、原則的には日本DOHaD研究会の会員の先生ですが、observerとして参加頂ける場合もあるのでご相談ください。この会を通して、DOHaDに興味をもってもらい、今後一緒に活動していければ大変うれしく思います。

 

 

2016年07月27日

シンポジスト 第37回ハイリスク児フォローアップ研究会

中野有也先生が第37回ハイリスクフォローアップ研究秋学術集会でシンポジストとして発表しました。


シンポジウム:極低出生体重児の学童期以降の予後
日時:2016年6月26日
テーマ:極低出生体重児の学童期以降の予後
発表テーマ:生活習慣病のリスク  中野 有也 先生(昭和大学小児科)

 

【発表要旨】
①生活習慣病、メタボリックシンドロームについて
②極低出生体重児における生活習慣病リスクについて
③極低出生体重児において生活習慣病リスクが生じるメカニズム(仮説)
④Early Aggressive Nutritionと生活習慣病リスクとの関係

以下に発表内容・スライドの一部(特に③~④について)をご紹介いたします。
スライド内容は公開用に一部修正しています。


(感想)生活習慣病やその他の疾病リスクも踏まえた長期的なフォローアップを行うことは、極低出生体重児にとって本当に大切なことです。しかし現在はそのシステムが確立しておらず、あまりそのようなことがされていなかったり、意識の高い一部の先生が手探りで取り組んでいるのが現状です。将来的にはそのようなフォローアップシステムの確立に向け、昭和大学DOHaD班が積極的に関わっていければよいなと思います。


2016年06月26日

第16回新生児栄養フォーラム シンポジウム

鈴木学先生が第16回新生児栄養フォーラムのシンポジウムでシンポジストとして発表しました。

DOHaDと関連した発表内容の要旨は下記の内容です。

①早産・低出生体重児は体組成の変化(Lean body massの減少、体脂肪率の増加)が認められており、それが将来のインスリン抵抗性や生活習慣病リスクと関連している可能性がある。

②最近の研究から、極低出生体重児における生後早期の蛋白摂取量は、若年成人の体組成や安静時のエネルギー消費量と関連していることが示されている(Matinolli HM, et al. Early protein intake is associated with body composition and resting energy expenditure in young adults born with very low birth weight. J Nutrition 2015; 145(9): 2084-91)。この報告によると、生後3週間における蛋白摂取量が1g/kg/day増えるごとに、若年成人期におけるlean body massが11.1%増加し、安静時エネルギー消費量が8.5%高いという。

③また、ごく最近の別の報告によれば、早産極低出生体重児におけるNICU退院時までの縦断的な体組成評価でLean body massが増加すると修正12か月の発達指数が高くなるが、体脂肪量の増加では発達指数に影響しないという。さらにこの報告では生後最初の1週間の蛋白摂取量およびエネルギー摂取量はNICU入院中のLean body masの増加と正の相関があり、体脂肪量増加とは関連しないことが示されている(Ramel SE, et al. Greater early gains in fat-free mass, but not fat mass, are associated with improved neurodevelopment at 1 year corrected age for prematurity in very low birth weight preterm infants. J Pediatr 2016; 173: 108-115)

④以上の結果を踏まえれば、Early Aggressive Nutrition(生後早期からの蛋白およびエネルギー摂取量の増加)には、体組成の是正を介した安静時エネルギー代謝量の変化や、神経学的予後改善にも一定の影響を与えている可能性があると考えられる。

2016年06月06日

シンポジスト 第119回日本小児科学会

中野有也先生が第119回日本小児科学会学術集会でシンポジストとして発表しました。

総合シンポジウム6 エピジェネティクスと子供の成長

座長:板橋 家頭夫(昭和大学小児科)
   緒方 勤(浜松医科大学小児科)

1. エピジェネティクス(生命のプログラム)の基礎
  中尾 光善(熊本大学発生医学研究所細胞医学分野)
2. 妊婦のエネルギー摂取不足が成長後の児の脂肪肝発症リスクに及ぼす影響の解析
  伊東 宏晃(浜松医科大学附属病院周産期母子センター)
3. 低出生体重児の成長とエピジェネティクス
  中野 有也(昭和大学小児科)
4. 小児内分泌科医の視点から
  堀川 玲子(国立成育医療研究センター内分泌代謝科)

発表に際して、順天堂大学の山城雄一郎先生から「帝王切開と児の肥満 」「抗菌薬投与と児の肥満」「腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の重要性」についての言及がありました。

マイクロバイオームについては、2016年7月に開催予定の第5回日本DOHaD研究会学術集会で、ニュージーランドのJustin O'Sullivan先生がご発表くださるのではないかと思います。ご興味のある方は是非ご公聴ください。


「帝王切開と児の肥満」(および「抗菌薬投与と児の肥満」)についてはコラムを作成しましたのでそちらも合わせてご覧ください。


2016年05月14日

Liggins研究所との二国間共同セミナーに参加

中野有也先生が世界的なDOHaD研究の拠点であるニュージーランドAuckland大学Liggins研究所との二国間共同セミナーに参加しました。

 この二国間共同セミナーには、日本学術振興会の二国間交流事業として計画され、日本側から東京医科歯科大学医歯総合研究科の小川佳宏教授を団長とした日本人研究者14名が参加しました。会場となったニュージーランドAuckland大学Liggins研究所は、DOHaD研究の世界的な拠点の一つです。このセミナーを通してお互いの研究成果を共有するだけではなく、研究者間の交流及び情報交換を行うことにより、将来的な研究ネットワークを構築することを目的としたものです。具体的には、二国間での共同研究の立案や若手研究者の留学などの視点からも多くのディスカッションがなされました。非常に有意義なセミナーであり、第5回DOHaD研究会学術集会ではLiggins研究所のFrank Bloomfield教授、Justin O’Sullivan教授両名に招待講演をご依頼するなど、二国間の関係は深化しつつあります。今後の両国のDOHaD研究発展に期待がもたれるところです。


2016年02月02日

シンポジスト 第4回日本DOHaD研究会

中野有也先生が第4回日本DOHaD研究会学術集会でシンポジストとして発表しました。

 

DOHaDの科学的基盤確立シンポジウム
“DOHaD”は仮説なのか?現在わかっていること・わかっていないこと
座長:佐藤 憲子(東京医科歯科大学大学院 疾患生命科学研究部・生命情報科学教育部)
   杉山  隆(東北大学医学部 産科婦人科学教室)
 1 DOHaDの科学的基盤形成に必要な研究
   久保田健夫(山梨大学・大学院総合研究部・環境遺伝医学講座)
 2 産科の視点よりDOHaDに学ぶこととその限界
   伊東 宏晃(浜松医科大学医学部附属病院 周産母子センター)
 3 小児科医の視点で考えるDOHaD研究の展望と限界
   中野 有也(昭和大学医学部小児科学講座)
 4 メタボリック・シンドロームと胎児期・乳幼児期との関連
   宮本 恵宏(国立循環器病研究センター 予防医学・疫学情報部)
 5 DOHaD・疫学研究領域の未来
   目時 弘仁(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 地域医療支援部門 周産期医学分野)


2015年08月02日

ワークショップ 第4回日本DOHaD研究会

中野有也先生が第4回日本DOHaD研究会学術集会のワークショップで発表しました。

このワークショップではDOHaDの日本語名称についての様々な案が提案され、会場も交えて熱い議論が行われました。

DOHaDの日本語名称検討ワークショップ
座長:宇田川 潤(滋賀医科大学 解剖学講座 生体機能形態学部門)
   伊東 宏晃(浜松医科大学医学部附属病院 周産母子センター)

 基調講演 至適名称を求めて―DOHaD―研究の推進に―
   福岡 秀興(早稲田大学理工学術院)
 1 ネーミングが持つ力
   中西 和代(初めてのたまごクラブ 編集長)
 2 次世代の健康を守る出産・成育インフラにふさわしい名は?
   西沢 邦浩(日経BP社 日経ヘルス、日経BPヒット総合研究所)
 3 全てを網羅するDOHaDの日本語名称はあるか?
   中野 有也(昭和大学医学部小児科学講座)
 4 DOHaD日本語名称に関する提案~周産期を目前にした若年層の意見から~
   原馬 明子(麻布大学 生命・環境科学部)


2015年08月01日

第4回日本DOHaD研究会学術集会を主催

昭和大学小児科主任教授の板橋家頭夫先生を大会長として、平成27年8月1日~2日に第4回日本DOHaD研究会学術集会を主催しました。

約220名の方にご参加いただき盛会のうちに学術集会を終わることができました。


昭和大学小児科からは、中野有也先生がシンポジウムおよびワークショップでそれぞれ口演発表をし、小林梢先生、豊田純也先生がポスター発表をしました。


2015年08月01日

日本DOHaD研究会 第一回若手の会

 第4回日本DOHaD研究会学術集会前日の7月31日に、昭和大学内の施設で日本DOHaD研究会の「若手の会」が開催され、昭和大学からも3名の小児科医、1名の産婦人科医が参加いたしました。それぞれの研究者から自己紹介や現在行っている研究内容などについての紹介がなされ、その後お酒を飲みながら和やかな雰囲気で情報交換会が催されました。


2015年07月31日

第118回日本小児科学会 分野別シンポジウム

板橋家頭夫先生が第118回日本小児科学会学術集会のシンポジウムでDOHaDと関連した発表をしました。

 

分野別シンポジウム 母体の生活環境と児の将来
座長:奥山 眞紀子(国立成育医療研究センター)
   平岩 幹男 (Rabbit Developetal Research)
演者:
 1 中山 祥嗣 (国立環境研究所)
 2 井埜 利博 (群馬パース大学 保健科学部)
 3板橋 家頭夫(昭和大学小児科学講座)
   「新生児科医、小児科医は成人期の健康についてどのように考えるべきか?」
 4 佐藤 拓代 (大阪府立母子保健総合医療センター)

2015年04月17日

新生児栄養学 -発達生理から臨床まで-

 2014年7月20日に「新生児栄養学 -発達生理から臨床まで-」の第一版がMEDICAL VIEW社から発行されました。昭和大学小児科学講座教授の板橋家頭夫先生が編集し、我が国のエキスパートが各分野を共同で執筆しています。DOHaDと関連した項目についても、数多く掲載されています。下記に昭和大学小児科の先生の執筆内容を示します。ご興味のある先生は是非ご覧ください。


胎児期の環境とアレルギー疾患           昭和大学小児科  石川 良子  先生
アミノ酸代謝と蛋白蓄積              昭和大学小児科  櫻井 基一郎 先生
炭水化物代謝                   昭和大学小児科  宮沢 篤生  先生
早産低出生体重児における栄養必要量とその考え方  昭和大学小児科  城所 励太  先生
                         昭和大学小児科  三浦 文宏  先生
乳汁分泌機序とその調節              昭和大学小児科  水野 克己  先生
哺乳機能の発達                  昭和大学小児科  水野 克己  先生
母乳の保存方法と栄養成分の変化          昭和大学小児科  水野 克己  先生
乳汁の種類と生活習慣病のリスク          昭和大学小児科  中野 有也  先生
母乳育児と感染症                 昭和大学小児科  水野 克己  先生
NICU入院中の極低出生体重児の成長         昭和大学小児科  櫻井 基一郎 先生
Early Aggressive Nutritionの背景と目的       昭和大学小児科  板橋 家頭夫 先生
出生直後からの静脈栄養の実際           昭和大学小児科  櫻井 基一郎 先生
Trophic feedingの意義と実際            昭和大学小児科  滝  元宏  先生
Feeding intoleranceの対応             昭和大学小児科  井上 真理  先生
強化母乳栄養の実際                昭和大学小児科  鈴木 学   先生
                         昭和大学小児科  三浦 文宏  先生
Refeeding syndromeの病態と対応         昭和大学小児科  滝  元宏  先生
未熟児代謝性骨疾患とその対応           昭和大学小児科  北澤 重孝  先生
微量元素欠乏症とその対応(亜鉛、銅)       昭和大学小児科  相澤 まどか 先生
栄養と未熟児網膜症、慢性肺疾患          昭和大学小児科  佐々木 寛  先生
経管栄養から直接授乳の移行方法          昭和大学小児科  水野 克己  先生
早産低出生体重児とnon-communicable disease   昭和大学小児科  板橋 家頭夫  先生
新生児・乳児消化管アレルギーの診断と管理     昭和大学小児科  宮沢 篤生  先生
唇裂・口蓋裂合併児の栄養指導           昭和大学小児科  加古 結子  先生
気管切開をおいている児の栄養管理         昭和大学小児科  加古 結子  先生
小児外科疾患の栄養管理              昭和大学小児外科 土岐 彰   先生
短腸症候群の栄養管理               昭和大学小児外科 千葉 正博  先生
                         昭和大学小児外科 土岐 彰   先生
                         昭和大学小児外科 真田 裕   先生
早産SGA児の栄養管理               昭和大学小児科  板橋 家頭夫 先生
中枢神経に障害を有する児の栄養管理        昭和大学小児科  田角 勝   先生
静脈栄養の合併症と対策              昭和大学小児科  滝  元宏  先生

 

 

2014年07月20日

第109回東京新生児研究会 講演

中野有也先生が第109回東京新生児研究会でDOHaDに関する講演をしました。

 2004年4月8日に開催された第109回東京新生児研究会で、中野有也先生が「新生児医療に携わる医師が知っておきたいDOHaDの最新知識」と題した講演をしました。一般に早産低出生体重児の生後の理想的な成長とは、予定日に正期産児と同等の体格を有すること(子宮外発育不全を回避すること)であると考えられ、それを達成するための栄養管理が議論されてきました。この講演では早産低出生体重児の栄養管理とNICUでの成長パターン、早産低出生体重児における体組成の変化に着目し、早産低出生体重児の生後の成長は、単なる子宮外発育不全を目標とすべきではなく成長の質(体組成や成長パターン)も発育不全のない正期産児に近づけることが理想であることが確認されました。

Take Home Message
 ①早産児はSGAや子宮外発育不全(EUGR)がなくとも、将来の生活習慣病関連疾患発症リスクとなりうる。
 ②単なる子宮外発育不全(EUGR)の回避を目標とするのではなく、成長の質を正期産AGA児に近づける努力  が必要である


2014年04月08日

2013年世界DOHaD会議(シンガポール)に参加

中野有也先生がシンガポールで開催された世界DOHaD学会(DOHaD 2013 World Congress)に参加し発表しました。学術集会の跡には、ニュージーランドの研究チームとの懇親会が開催され、非常に有意義な情報交換の場となりました

 2013年11月17日~20日を回帰として、第8回世界DOHaD学会(DOHaD 2013 World Congress)が開催されました。中野有也先生がこの会議に出席し、「Longitudinal changes in adiponectin multimers in preterm infants」というタイトルでポスター発表いたしました。会議の後には日本の研究者とニュージーランドの研究者との間で懇親会が開かれ、後の共同研究につなげるための貴重な情報交換の場となりました。奇しくもこの年は、DOHaD仮説の基盤となった胎児プログラミング仮説を提唱したBarker先生が永眠した年でもありました。


2013年11月16日

第27回日本母乳哺育学会 パネルディスカッション

中野有也先生が第27回日本DOHaD研究会学術集会のパネルディスカッションでDOHaDと関連した発表をしました。

 

パネルディスカッション「母乳研究最前線」
座長:戸谷 誠之(昭和女子大学生活機構学研究科)
 1 母乳の組成と乳児の発育
   神野 慎治(株式会社明治 研究本部食機能科学研究所)
 2 母乳育児による母子間の機能伝達
   和泉 裕久(森永乳業株式会社 栄養科学研究所)
 3 母乳育児が結ぶ母と子の絆
   和田 友香(国立成育医療研究センター周産期センター新生児科)
 4 母乳育児とDOHaD
   中野 有也(昭和大学医学部小児科学講座)


2012年09月08日