卒後教育と手術トレーニング

バイパス術(血管吻合術)の練習:安全で確実な血管吻合を目指して


バイパス術は日々の訓練により上達する技術ですが、日々の診療や勉学に追われている研修医や医学生にとって、少ない時間で如何に効率良く技術を習得できるかが重要と考えます。

縫合は血管壁に針をかけ糸をしばることで、血管壁同士を縫合しバイパスを完成させます。良好な血流を保つバイパス術を行うには基本練習をしっかり行い、思った通りの部位に針を通し、思った通りの場所で糸をしばることが出来るようになることが重要です。

バイパス練習

-バイパス術の前に-
バイパス術の前に肉眼下での皮膚縫合ができることが必要で、想定した部位に針をかけ、思った通りの場所に糸しばりできる必要があります。縫合は、ゆっくりとスローモーションの様に針を通し、糸しばりを行い、どのように針が通り、どのように糸を縛っているかを確認します。肉眼下での縫合を充分観察し理解することが、顕微鏡下での縫合に役立つと考えます。(また、逆に顕微鏡下の吻合方法は肉眼下の縫合にも役立ちます)

―顕微鏡下でのバイパス練習の順序―
皮膚縫合練習➔ガーゼでの縫合練習➔人工血管を用いた縫合練習の順でバイパス練習を行います。

―顕微鏡下での練習―
非常に小さい針と糸を用いますが、はじめから顕微鏡下での血管吻合を行うことは困難です。
① まず針の持ち方や、動かし方を練習しましょう。


② 針の通し方:ガーゼのマス目を構成している細い糸の間に、狙いを定めて針を通し、もう1本の糸にも針を通しましょう(血管壁同士に針をかける想定で行いますが、実際の血管壁を縫合している緊張感をもって練習することが大切です)。


③ 糸のしばり方:1回目の糸しばりの際に、狙った部位の壁同士を縫えるように糸を移動させ壁同士を合わせるように縫合します。



④ 糸の切り方:縫合部から糸を切る部位までの距離を確認しつつ切断します。



➔ビデオではガーゼで縫合練習を行いましたが、これを人工血管で練習し、最終的に実際の手術で出来るようにします。
➔次に人工血管での練習です!!!


実際に人工血管を使用したバイパスの練習を適時開催していますので、楽しく面白く実習したい方、吻合を一度してみたいと思った方の参加も歓迎です。(昭和大学の医学生や研修医はもちろんですが、他大学からの参加もお待ちしております。)


第1回 脳神経外科バイパスハンズオン
2014年8月2日 9-12時:昭和大学12号館3番のスキルスラボでの実習を行いました。

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顕微鏡下の吻合を経験でき、楽しい時間を過ごすことができました。

第2回のバイパスハンズオンも行う予定ですので、興味のある方の参加を待っています。




2015年7月4日(土)バイパスハンズオンを開催いたしました。
 9-13時:昭和大学12号館1階スキルスラボ

ご参加いただいた皆様有難う御座いました。



脳虚血症例や脳動脈瘤の手術の際に必須の手技ですので、この機会に多くの先生や学生さん方に安全で確実な手技を獲得していただければと思います。

具体的な実習内容はSTA-MCA bypass,深部吻合、その他、頭蓋骨モデル(塩)での骨削除などを予定しております。
参加希望の方は昭和大学病院脳神経外科医局まで御連絡をいただけると幸いです。

ご参加をお待ちしております。




                                          記載:杉山 達也



連絡先

〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8
昭和大学医学部脳神経外科学講座
Tel:03-3784-8000 ㈹
E-mail:neuros@med.showa-u.ac.jp