研究テーマ:化学の力を用いて薬に関わる種々の問題を解決する能力を育てる
薬の世界には、多くの解決すべき問題、解明されていない謎があります。薬化学教室では、化学の知識を駆使してこれらの問題点に取り組み、薬学の発展に貢献することを目的として研究を進めています。薬の本体である有機化合物の性質を理解すると、薬学生、薬剤師として必要な、医薬品が関わる種々の問題に対する問題解決能力を身につけることができます。4年生は下記のテーマの何れかを、教室員の指導のもとで担当します。
1 環境調和型で有用物質を生産する反応を開発する
遷移金属や悪臭を放つ物質を使用しない、環境にやさしい有機反応の開発を目指しています。これまで触媒になるとは考えられていなかったアミノ酸等を用いて新規な反応を開発します。有機触媒反応と呼ばれる新しい研究分野です。
2 鏡像異性体の一方のみを効率よく作る(不斉合成)
人体は鏡像異性体の一方でできています(キラル)。薬もキラルである方が良いのは当然ですが、良い合成法がないため多くはラセミ体で用いられています。私たちは不斉有機触媒を用いることによって効率の良い不斉合成法の開発を行っています。
3 生理活性天然物を立体選択的に作る
上で述べた様な反応を用いると、天然から少量しか得られない生理活性物質や、天然物には存在しない「生理活性物質の鏡像異性体」等を作ることができます(下に例示)。
4 抗血栓薬、糖尿病薬の開発研究
薬理学教室との共同研究で、全く新しい構造を有する医薬品の開発を行います。抗血栓作用を有するSMTP-7、α-グルコシダーゼ阻害作用を有する天然物と、その誘導体を合成します。
5 注射薬の配合変化を科学的に解明する
複数の注射薬を混合すると、沈殿や着色がしばしば起こります。これらの中には原因が不明のものが数多くあります。科学的手法を用いて原因を探り、回避する方法を考案します。
教室セミナー
1) 英語論文、総説の輪読
将来どの分野に進んでも必要となる英語について、主に科学的な題材を中心とし、医薬品情報の収集なども含め学習します。現在有機合成、がんの生化学、薬理学に関するセミナーを行っています。
2) CBT対策を中心としたセミナー
CBT、国試対策の学習を行います。また、学生各々の希望に応じてCBT、国試合格のためのサポートを行います。4年生は現在、国家試験問題の学習をしています。
「ヤッカガくんが行く!!in 薬化学教室」 実験の進め方を簡単に説明しています.
大学院卒業生 鳥居塚洋輔さんの作品です(ご覧になる際は,Acrobat Readerが必要になります).