包 茎


 包茎は真性包茎と仮性包茎があります。真性包茎は包皮口が狭いために包皮を翻転させることができない状態で、仮性包茎は亀頭が包皮で覆われているが、容易に翻転できる状態を言います。一般に包茎といえば、真性包茎を指します。
 包茎と診断するためには、包皮の正常な状態を知る必要があります。乳児検診などで包茎と診断されることがありますが、本当に病的なのでしょうか?
 一般に新生児期は96%が包皮を翻転することができません。しかし、成長するに従い翻転可能となり、5才になると90%の人が包皮翻転可能となります。すなわち包皮は翻転不能でも症状がなければ問題ないと言うことになります。
 従来の治療方針は、5歳未満で症状がない場合は包皮翻転不能でも経過観察のみで良く、5歳以上の包皮反転不能もしくは5歳未満の症状のある場合にのみ手術を施行していました。ここでいう包茎の症状とは、包皮炎や亀頭炎、排尿障害による排尿痛を指します。包皮炎や亀頭炎では表面が赤く腫れ、痛みを伴い、膿が出ることもあります。
 手術は3箇所の包皮外板を縦切開、横縫合のいわゆるWelsh法を行います。この方法で包皮は年齢相応の自然な形になります。年齢不相応な形態となる環状切開や背面切開は、いじめの原因にもなることから原則として行わない方針でした。
 近年、欧米の論文で小児の包茎に対するステロイド軟膏による保存的療法の良好な成績が示されるようになりました。現在当科では基本的に全年齢層に対し、まず最初に侵襲の少ないこの保存的療法を行う方針としています。

ステロイド軟膏による保存的療法

 保存的療法は、入浴後に1回、0.05%betamethasone(商品名:リンデロンVG軟膏)のごく少量を包皮の狭くなっている所に塗布し、その後包皮を陰茎根部方向に軽く牽引し、包皮翻転を試みます。これは包皮が剥離できるようになったかどうかを確かめる程度で十分です。

 この方法で、約2週間後にはほとんどの人が包皮翻転可能となります。また、包茎の程度が強い場合でも、治療に1ヵ月以上かかった経験はありません。従ってこの方法が無効で手術を行った例もありません。また短期間の治療のためか、副作用は認められません。文献的にも治癒率は80-90%あり、副作用の報告はありません。


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