教授挨拶Professer greeting

挨拶

土岐 彰 教授

 最近の小児医療全般に言えることですが,診察・処置を行うのに人手が必要で,しかも夜間緊急診療など時間の制約が多いため,小児医療を敬遠する医者が多いようです.しかし,一方では少子化がすすみ,子供一人一人の命の大切さが以前にも増して強調されております.このような状況の下で,何とか小児医療に興味を持ち,苦労が多くても人のために役立ちたいと思う気持ちと同時に,選ばれた人間であるという誇りを持った医者を育てることを教室の第一目標としています。

 診療に対する基本理念は「一誠は百術に優る」と言う言葉で代表することができます.医学教育を単なる技法論に依存することなく,我が国の次世代の医学,医療を担う後進を育てたいと言う「情熱」を中心的武器として診療に当たっています。このために根幹となる手法が "case study"であり、1例1例を大切にしていくことこそが、最も重要なことと考えています。また、いかに患児および家族のニーズに答えられるかを追求することであり,外科的侵襲を最小限にとどめた治療を目指しています.小児にとってハンディーキャップとなる手術創は整容性に十分配慮する必要があることを強調してきました.今後もこのスタンスを変えることなく診療にあたりたいと考えています.

 また、小児医療を行う上で、もっとも重要なことは関連各科(とくに小児科、産婦人科)の密な連携です。これらの小児医療チームが一丸となって、地域の小児医療に貢献すべくより一層努力していく所存です。

(文責:土岐 彰)        

昭和大学小児外科の沿革

 小児外科の母体である昭和大学医学部外科は1930年故石井吉五郎教授のもとに創設されました。その後1957年故村上忠重教授が第一外科を主宰し、1961年に故石井淳一教授が第二外科を創設しました。その一部門として、入江邦夫助教授を迎え、腎班と小児班が誕生したのが1964年で、ちょうど日本小児外科学会の発足時期と一致しています。その後、故村上忠重教授の転任に伴い、故石井淳一教授が2つの外科を統合し、1967年に昭和大学医学部外科学教室となりました。この教室は、一般消化器外科、胸部心臓血管外科、脳神経外科、腎臓外科、そして小児外科と多岐にわたりますが、診療、教育、研究面で最高の外科的素養を高めるべく体制がとられ、外科学の教科書そのものでした。

 小児外科専従医による診療体制がとられるようになったのは1970年で、岡松孝男前小児外科教授が講師に就任した頃です。当時は、今のような独立した小児外科看護体制はなく、小児病棟の片隅で数床のベッドを借りながらの診療でした。その後、1981年に現入院棟が開設され、年間30例以上の新生児外科症例を取り扱うほどに成長しました。1982年に日本小児外科学会認定施設となり、1987年には小児外科が診療科として認められ、岡松孝男前小児外科教授がその初代診療科長となりました。

 1988年の全国調査によると、当科の新生児外科症例の手術死亡率は8.7%で、全国平均15.6%を大きく下回っていました。また、このように多くの症例数がある施設は全国でも少なく、大学病院の中ではベスト5に入りました。1995年にはこれらの実績により、第31回日本新生児学会を主催することができました。

 このような伝統と実績をより発展、専門分化させるため岡松孝男前小児外科教授の後任として、2004年からは土岐 彰教授を迎えて再出発致しました。

(文責:八塚正四)








昭和大学医学部 外科学講座
小児外科学部門

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