山本 松男
平成4年 東京医科歯科大学歯学部卒業
平成8年 東京医科歯科大学大学院修了・
博士(歯学・歯周病学)
平成9年 米国アーカンソー州立医科大学内分泌部門・
骨粗鬆症センター(ポスドク)
平成12年 鹿児島大学歯学部助手(歯周病学)
平成14年 鹿児島大学生命科学資源開発研究センター
助教授
平成17年 昭和大学歯学部教授(歯周病学)
● 歯周病学について
歯周病は、国民の成人の約七割で何らかの所見が認められるといわれる疾患です。歯の周囲に炎症が起きて、歯を支える組織・骨が破壊され、動揺が増して最後には脱落してしまいます。歯を失う二大疾患はむし歯と歯周病です。どちらも中高年以降高齢にかけて発生しやすくなります。磨き残しの汚れ(プラーク)の正体は口腔常在菌の塊ですが、慢性的に歯肉縁に付着していると感染性の炎症が生じて歯周組織を破壊します。歯が長くもつためには、歯が噛み合わせから受ける力(=咬合力)のコントロールも重要です。生体許容の範囲を超える力がかかると、咬合性の炎症を生じます。プラークによる感染と咬合力のコントロールをバランスよく行うことが、歯を長くもたせるためのコツです。
「治してもらう」のではなく「悪くならないようにする」ことが重要です。
● 歯周病学教室について
歯周病症状をもつ患者様の治療と、その後のメンテナンスを中心に診療を行っています。一般歯科診療部門ですから、むし歯や神経の治療、歯の被せもの、入れ歯(義歯)についても行います。高い専門性を要する義歯やインプラント処置は、原則として本院内の専門診療科の先生と共同で取り組みます。診療科には、日本歯周病学会専門医、指導医、認定医の資格を持つもの、またそれらをめざし研鑽を積むもの、研修医、歯周病学を専攻する大学院生(歯科医師、研修医を終えたもの)などが所属しています。各自が専門的な知識や技術の向上の努力はもちろんですが、上級医や関連診療科のドクターと相談をするなど、質の高い医療を実践できるように努力をしております。専門領域の研究ご協力をお願いすることがありますが、十分なご理解とご同意をいただいた後に、進めるようにしております。
● 専門医・認定医制度について
すばらしい臨床を目指す。歯科医の誰もが持っている本能的ともいえる欲求です。臨床を続ければ続けるだけ、経験の蓄積と知識・技術の習得・向上があります。大海のごとく広がる臨床の中で、歯周病治療については日本歯周病学会の認定医認定(会員歴3年以上で申請資格有)、専門医認定(同5年以上)を一つの目標に歯科医として漕ぎ出します。認定医や専門医はゴールではなく専門性の高い治療の実践への通過門として、歯科医としての自分のスタイルの構築と捉えることができます。専門医取得の過程で大いなる刺激を受けた医局員の中では、歯周病の領域を越えてより広く深い歯科医療に果敢に挑戦していく人が多いようです。治療の5年後も10年後も「治してもらって良かった」といわれるような専門性の高い歯科医を目指しましょう。
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