総合診療歯科の創設

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総合診療歯科の創設は、歯科医師臨床研修の体制整備と深く関わっています。昭和大学歯科病院における歯科医師臨床研修の沿革と総合診療歯科の前身である(旧)総合診療室の設置の経緯や研修必修化(平成18年)後までの変遷について以下に示します。

(1)臨床研修創成期
 当院における最初の歯科医師臨床研修は、平成7年度に開始されました。この時期には、まだ臨床研修の中心となる診療室がなく、研修の主体は基本的に所属教室で実施される、いわゆるストレート研修でした。臨床研修医は所属教室での研修と週1回の卒直後研修講義(年間30時間)受講に加えて、補綴科、保存科、口腔外科のうちから所属教室以外の2科を選択して各4日間ずつ、年間8日間の科外研修が課されていました。初年度を平成7年として平成10年度までほぼ同様に研修が実施されていました。

(2)総合診療室誕生
 平成10年度初めから総合診療室の設置と運営が本格的に検討され、平成11年4月、1号棟3階(旧学生技工室)にユニット数20台の規模で総合診療室が開設されました。
初代室長には副院長であった久光久教授が就任しました。

(3)総合診療室での研修と運営
 開設された総合診療室は、保存科・補綴科・口腔外科のベテラン助教授・講師クラスが交代で毎日5名指導医として常駐し、運営しました。平成11年度から研修医は週2日(月木か水金のどちらか)を総合診療室で研修し、その他の日を所属する各科で研修しました。平成12年度から第2代室長には副院長であった川和忠治教授が就任しました。

(4)単独研修方式から単独/複合研修方式へ
 平成15年度から従来の単独研修方式(歯科病院で12ヶ月研修する方式)だけでなく、希望者は複合研修方式(歯科病院で8ヶ月、学外の診療施設で4ヶ月研修する方式)を選択できることになりました。また、第3代室長として久光久教授(副院長)が、ヘッドインストラクターとして角田左武郎助教授、新谷明幸助教授が就任し、研修指導医として講師・助手を中心とした若手を採用した指導体制となりました。
研修医は月水金か火木土のどちらか(週3日)を総合診療室で研修し、その他の日を所属科で研修しました。

(5)総合診療室から総合診療歯科へ
 臨床研修化(平成18年度)に備え、臨床研修の中心を担う部署として「総合診療歯科」が新設診療科として開設され、平成16年7月に長谷川篤司が初代総合診療歯科科長(助教授)に就任し、「総合診療室」は「総合診療歯科」となりました。平成17年度から総合診療歯科スタッフを中心に歯内治療科、歯周病科、歯科補綴科の協力を得て新研修体制がスタートしました。プログラムは複合型のみとし、協力型研修施設4か月、総合診療歯科4か月間、学内スーパーローテーション4か月で多くの選択コースが準備されました。
以降、平成18年度の臨床研修必修化を経て、また、様々なプログラムの変遷をしながら現在に至っています。