従来の粉砕法は慣例化しているため、今まで「錠剤のまま水に入れる」という視点の違った見方をすることがほとんどありませんでしたが、簡易懸濁法は「つぶし」の処方であっても錠剤をつぶしたりカプセルを開封したりしないで、投与時に錠剤・カプセル剤をそのまま水に入れて崩壊・懸濁させる方法です。
カプセルを溶解させるために約55℃の温湯に入れて自然放冷します。水に入れて崩壊しない錠剤の場合、コーティングを破壊(フィルムに亀裂を入れて)して水に懸濁・崩壊しやすくします。
簡易懸濁法による錠剤・カプセル崩壊映像
錠剤・カプセル剤がすぐに崩壊する様子をご覧下さい。
錠剤例
ジゴシン錠
2分程度で崩壊・懸濁します。
シロップの場合、冷蔵庫から出さないといけない、秤取量ミスの可能性がある、最後になると液量が不足する、投与忘れがあるなどから、シロップ剤より錠剤の方が投薬上、便利です。
カプセル例
ユベラNカプセル
ユベラNカプセルに限らずほとんどすべてのカプセル剤は脱カプセルしなくても約55℃のお湯に入れると、カプセルが溶解し、問題なく経管投与できます。