昭和大学病院 放射線技術部 技師長(部長)
佐 藤 久 弥
昭和大学保健医療学部大学院保健医療学研究科 教授
昭和大学病院は8つの病院と1つのクリニックの中で大学と隣接した本院となります。日々進歩する医療の中で、放射線室でも最新で高度な医療を提供できるよう活動しています。放射線室の画像検査機器において、導入された最新の医療機器を紹介いたします。ワイヤレスFPDと15インチモニタを搭載した日立メディコ社製のポータブル装置を2台導入いたしました。それぞれ入院棟と救急センターに配置し、その場での画像確認と無線送信が可能となり、救急撮影にも迅速に対応することが出来ます。CT装置ではSIEMENS社製のForceを導入いたしました。このCT装置最大の特徴は超高速撮影が可能であることと、X線撮影と同等の低被ばく線量で、胸部CT検査が行うことが可能です。心臓は0.3秒、胸部は0.5秒という速さで撮影が可能となり、撮影する際に息止めが出来なくても検査が可能になりました。これはデュアルのX線管システムと世界最速のスキャン速度(0.25秒
/ 回転)の組み合わせにより可能となり、秒間700mmを超える範囲が撮影できます。
放射線治療では癌等の腫瘍部分に放射線を集中的に照射し治療するIMRTを行っております。当院においてSAVIを用いたAPBIにおいても体位保持を行った状態で撮影が可能となっています。小線源を用いた放射線治療において充実した環境となり、より安全で高度な治療を提供できるようになりました。
X線検査室というと大きな機械があり、威圧感のある部屋という印象を持っている方が多いと思います。当院の放射線室では検査室の壁紙にミッキーマウスなどのディズニー柄を採用した検査室があります。放射線を防護するプロテクタにもかわいいアニマルプリントが施されています。ディズニー柄の検査室は小児用の検査室として用いることで、機械による威圧感を軽減させ、怖がらずに検査ができると患者さんには好評です。