臨床のためのDOHaD研究会の発足準備

臨床のためのDOHaD研究会の発足 準備

「はじめに」
 みなさんご存知のように、胎児期や生後早期のいわゆる発達過程は、将来の病気のリスクを決定するいわばwindow periodです。この時期からのよりよい食育や成育環境を通して将来の疾病リスクを減ずること、さらに個々の遺伝的背景をもとに疾病リスクに対して早期から介入していく、いわゆる「先制医療」の概念が注目されています。「病気になる人を待つ」これまでの医療とは全く異なった「先制医療」が今後求められる時代がやってくると確信しています。
 しかし一方でDOHaDの概念を日々の診療に生かしていくことには困難が伴います。なぜならば、まず圧倒的にエビデンスが不足しており、それを臨床に生かす術が明らかではないからです。実際、私が日常診療で担当する機会が多い早産低出生体重児においても、①NICUでどのような管理を行うのがよいか、②どのようなタイミングで彼らをフォローアップし何を評価すべきなのか、③異常がみつかった児、リスクの高い児に対してどのように介入するのがよいか、がわからず手探りで診療にあたっているのが現状です。また、学問としてのDOHaD研究には、臨床家には難しい概念も多く含んでおり、臨床家が興味をもってもこの分野に入ってきにくい現状があるのではないかと思います。そこで私たちは以下のコンセプトでの新しい研究会立ち上げを模索いたしました。

「コンセプト」
 ○臨床家(コメディカルを含む)中心のDOHaD研究会
 ○若手中心のDOHaD研究会(若手が活躍できる研究会)
 ○各分野の小児科医を中心としつつも、産婦人科医や内科医などとも連携

 

現在上記をコンセプトとした新しい研究会の立ち上げ準備をしています。
事務局は昭和大学DOHaD班が行います。
近日中にHPを作成しますので是非ご覧ください。

世話人代表 中野 有也(昭和大学小児科)
顧問    板橋家頭夫(昭和大学小児科)
世話人   市川 剛 (那須赤十字病院小児科)
      東海林宏道(順天堂大学小児科)
      鈴木 学 (昭和大学小児科)
      長沖 優子(聖路加国際病院小児科)
      中野 有也(昭和大学小児科)
      平野 大志(東京慈恵会医科大学小児科)

共催企業  JCRファーマ株式会社

2016年09月10日