出生時の体格が小さい児は、成人期の体格も小さくなりやすいという報告が多くあります。このことは低出生体重児が将来メタボリックシンドローム発症リスクが高いことと一見矛盾しているように思われるかもしれません。メタボリックシンドロームは肥満を介して、糖尿病や高血圧、高脂血症などを生じる病態と考えられているからです。
「隠れメタボ」という言葉が使用されることがあります。いわゆる肥満ではないのに、糖尿病や高血圧などの異常をもつ人を指して使用されます。最近、この「隠れメタボ」が増えているとニュースになっています(下記リンクをご参照下さい)。このことと低出生体重児の増加している現状、そして彼らのメタボリックシンドローム発症リスクが高いこととは無関係ではないのではないかと思っています。こういったメカニズムを解明し将来の疾病リスクを減弱させるために生後早期からできることがないか模索していくのも、DOHaD研究に必要なことです。あなたは「隠れメタボ」大丈夫ですか?