(答え)子宮内発育不全および早産が低出生体重児を生じさせる主要な原因です。
子宮内発育不全(intrauterine growth restriction: IUGR)とは、超音波検査で算出した胎児推定体重が在胎期間別胎児発育基準値の-1.5SD以下である状態と定義されています。この基準値は正期産で出生する児の縦断的な胎児超音波検査データを用いて算出されています。胎児が子宮内発育不全となる理由はたくさんあります。大きく分けると、母体因子、胎盤・臍帯因子、胎児因子の3つに大別されますが、理由がはっきりとわからない場合もあります。母体因子としては、母体の年齢(若年妊娠、高齢妊娠)、母体の低栄養、妊娠高血圧症候群、母体の喫煙歴など様々です。胎盤・臍帯因子としては、胎盤のサイズや位置の異常、双胎妊娠などがあげられ、胎児因子としては胎児の染色体異常や先天性感染症などがあげられます。子宮内発育不全がなく在胎期間相当の胎児発育が得られている場合でも、早産の場合には低出生体重児となる可能性が高くなります。正期産は37週から41週までの分娩を指し、在胎22週0日~36週6日の間に出生した児がを早産児です。