(答え)低出生体重児とはならない感受期(子宮内や生後早期)の環境の変化でも、将来の疾病リスクに関与すると考えられています。
DOHaD仮説の前身である胎児プログラミング仮説は、低出生体重児の疾病リスクが注目されることで発展してきました。しかし、DOHaD仮説で考える疾病リスクは低出生体重児に限定した話ではありません。DOHaD仮説で重要な点は、発達過程(胎児期や生後早期)における様々な環境によりその後の環境を予測した適応反応(predictive adaptive response)が起こるという点です。この反応は低出生体重児になることとは全く無関係な環境でも生じると考えられています。この概念で重要なのは、感受期(胎児期や生後早期)の環境とその後の環境の適合/不適合が疾病リスクに関係するという点です。また、感受期に暴露されるストレス環境など、栄養環境以外にも様々な環境の影響を受けてこの反応が生じうると考えられます。