研究責任者:長谷部 義幸
研究担当者:長谷部 義幸
概要:インスリン様成長因子-Ⅰ(IGF-Ⅰ)は成長ホルモン刺激により末梢組織、主に肝臓で合成される物質です。IGF-Ⅰは、肝臓での蛋白合成を促進させるとともに、筋や軟骨の細胞を増殖させ、老化や寿命の制御にも関わることが明らかになっています。近年、周産期医療の分野でもIGF-Ⅰと周産期合併症の関連が注目されており、過去の報告から未熟児網膜症、慢性肺疾患、神経発達障害及び成長障害の発症に関連していることが知られています。未熟児は出生時から血中IGF-Ⅰが低値で推移することがわかっているため、それがこれらの周産期合併症の発症に関わっていると考えられるいます。そのため海外では、遺伝子組み換えヒトIGF-Ⅰ/IGF
binding protein-3製剤を投与してこれらの周産期合併症を予防しようという試みがなされており、現在は本邦を含めた国際共同第Ⅱb/Ⅲ相試験が予定されています。しかし一方で、胎児期の各段階のIGF-Ⅰ標準値の報告は少なく、信頼性の高いデータは無いのが現状です。本研究は、日本人における在胎期間毎の臍帯血IGF-Ⅰ値の標準値を算出するため、出生した児の臍帯血中のIGF-Ⅰ濃度を測定する研究です。
(研究協力者募集)
対象:昭和大学病院で出生し、昭和大学病院NICUに入院した児
★先天異常や染色体異常を合併している児は対象から除外いたします。