研究責任者:中野 有也
研究担当者:中野 有也
研究費:科研費「基盤C」、一部はFGHR臨床研究費
概要:極低出生体重児(出生体重が1,500g未満の児)は、学童期までに発達の遅れが生じやすく、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動症、学習障害など発達障害の頻度が高いことが報告されています。また、成長のポテンシャルが低下することで成人期になっても小柄な人が多く、筋肉がつきにくく体脂肪がつきやすいなどの体質変化が生じる事が示唆されています。そのような体組成の影響もあり、成人期には糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病を発症するリスクが高いことが報告されており、また、慢性腎臓病を発症するリスクも高く、その一部は小児期から治療を要することがわかっています。極低出生体重児におけるこのような長期的な病気のリスクは、胎内環境に加えて、NICUでの成育環境や出生後の成長パターンが大きく関係し、特にNICUでの栄養管理や体組成の変化が、その後の発達や病気のリスクに密接に関わっていることがわかってきました。本研究は、極低出生体重児における将来の神経学的予後を改善させ、遠隔期の様々な疾病リスクを軽減させるためのNICUでの管理指針を明らかにするとともに、そのような疾病のリスクを早期から評価するための指標を明らかとし、よりよいフォローアップ指針を策定することを目的に立案されました。研究参加者にはNICU入院中からフォローアップ中の各種データを提供していただき、それをもとにNICUでの最良の治療方法やフォローアップ指針策定を検討いたします。
(研究協力者募集)
昭和大学病院NICUに入院する極低出生体重児が対象候補者となります。他院のNICUを退院し、昭和大学病院小児科でフォローアップされる極低出生体重児も途中からこの研究に参加することが可能です。