日本の小児における皮膚終末糖化産物(AGEs)の基準値の設定と食由来AGEs量との関連

研究責任者:水野 克己
研究担当者:永原 敬子、越智 綾子、中野 有也
研究費:一般社団法人日本小児内分泌学会 未来開拓研究助成、一部は講座研究費
概要:終末糖化産物(Advanced Glycation Endo-products:AGEs)はグルコースなどの還元糖とタンパク質との間の非酵素的糖化反応の後期段階で生成する構造体の総称です。AGEsは不可逆性最終産物で分解されにくく、生体内に蓄積して組織に沈着し、老化物質として最近注目されています。AGEsはグルコース、グルコース代謝産物や分解物、フルクトースなどから生成されています。このためこれ らを多く含む清涼飲料水、スポーツドリンク、乳酸菌飲料やポテトチップスなどの加熱食品中には多量のAGEsが含まれています。食事中のAGEsが身体へ与える影響を明らかにすることは急務と言えます。 生体内AGEs量は皮膚AGEs値を測定することで推測することができ、非侵襲的に生体内AGEs量を推定することができます。
 成人では年齢に比例して皮膚AGEs値が増加し、年齢別の基準値が明らかとなっています。一方、日本人小児を対象としたAGEs値の検討は今までになく、国際的にも年齢別の基準値は不明です。本研究では健康な日本人小学生の皮膚AGEs値を測定して年齢別に基準値を設定することを研究の第一の目標としています。さらに、食由来のAGEs量と皮膚AGEs値の関連を検討することを本研究の第二の目標とします。皮膚・皮下のAGEsは専用機器であるAGE Readerを用いて、無侵襲で簡単に測定することができます。

(研究協力者募集)本研究は東京都品川区立第二延山小学校の児童の中で、保護者の同意が得られた方を対象に行われます。

 

2020年04月08日